Home > 調査・政策提言>  視察報告

特別レポート

どこまで進んだ? レジ袋無料配布中止

                容器包装の3Rを進める全国ネットワーク 小野寺 勲

 2007 年4 月に、レジ袋削減を義務づけた現行容器包装リサイクル法が施行されたのをきっかけに、レジ袋削減の最も有効な手段として、レジ袋無料配布中止の導入が始まりました。自治体・市民団体・事業者の3者の地域自主協定に基づく、県単位や市町村単位での実施が一般的になっています。 本稿では、この6年間に、県や政令指定都市によるレジ袋無料配布中止がどこまで進んだか、そこには、 どのような問題点や課題があるかについてまとめてみました。情報源としては、主に自治体等のホームペー ジを利用しましたが、環境省の『レジ袋に係る調査』も参考にしました。

■ 無料配布中止が進展しない大都市圏

 県単位でレジ袋無料配布中止を実施している県は15、市単位で実施している政令指定都市は10 となっています(表2参照)。そのほかに、市町村単位での 実施であるが、それが大部分の市町村に広がっている 道県が7 あります(表1参照)。
 実施自治体の地域分布を見ると、小売店間の競争が 激しい首都圏と近畿圏の2大都市圏では一部の地域を 除いて無料配布中止が進展していません。大都市圏を 始め、全国津々浦々にレジ袋無料配布中止を浸透させ るためには、法律によって事業者に無料配布中止を義 務づけることが必須と思われます。

■ 新たな導入はほぼストップ

 県および政令指定都市によるレジ袋無料配布中止の導入を時系列で見ると、2007 年、2008 年、2009年 と、2009 年までは着実に増加していましたが、その後は2010 年、2011 年、2012 年、2013 年と途絶えたも同然の状況が続いています。 県単位や市町村単位での実施であっても、事業者の 客の流出への危惧を払拭しきれないため、事業者の足並みがなかなかそろわず、地域での自主的取り組みの限界があらわになっています。
 一方、一部の大手スーパーにおいては、西友が 2012 年7 月から、イトーヨーカドーが2013 年2 月から、それぞれ単独で全店舗一斉にレジ袋無料配布中止に踏み切っています。
■ コンビニでの実施は皆無

 レジ袋無料配布中止実施事業者の業態は、スーパー・生協を中心として、ドラッグストア、クリーニング店、一般商店、ホームセンター、デパートなど多岐にわたっています。
しかし、コンビニは皆無です。それは、コンビニが加盟する日本フランチャイズチェーン協会がレジ袋無料配布中止に反対しているためです。反対の理由としては、@主力商品がそのまま飲食するものなので、安全・衛生面からレジ袋が必要であるとか、A通りすがりの客が多く、マイバッグの持参は期待できないといったことをあげています。 @については、一部の商品に限って無料配布中止の対象外とすることで対応でき、Aについては、スーパーの駅前にある店舗の客や夜間の客も同様です。 コンビニでも無料配布中止は不可能ではなく、法律 によって無料配布中止を義務づけられれば、無料配 布中止は進むはずです。

*このレポートのPDFデータでのダウンロードはこちらからできます。

(2013年6月20日)