Home > シンポジウム・講演会 >3R政策地域研究会

3R政策地域研究会in九州で公開学習会

2012年10月27日(土) 容器包装の3R政策地域研究会 in 九州 公開学習会
を開催しました。

日時:2012年10月27日(土)10時?17時
会場:おおき循環センター「くるるん」環境学習室
共催:3R 政策九州地域研究実行委員会、容器包装の3Rを進める全国ネットワーク 参加者数:35名
  (内訳 ワーカーズ・ごみ問題研究会4 、あーすくらぶ3、芦屋町1、糸島市議会1、水俣市1、(株)田中商店1、山鹿植木広域行政事務組合1、エコネットふくおか1、NPO法人環境ネットワークくまもと・Rびんの会2、九州環境パートナーシップオフィス1、(有)柳川商事1,福岡県1、環境省1、アピス2、クリア1、I love 遠賀川流域デポジット法制化を求める事務局1、(株)大川鉄工1、大川女性ネットワーク1、大川市1、筑後市2、大木町2、エクアール1、グリーンコープ共同体1、九州大学学生1、長崎大学准教授1、長崎大学学生1)

プログラム
1、主催者あいさつ: ちっご委員会委員長 荒木フサヱ
2、歓迎あいさつ : 大木町長 石川潤一 、 大木議会議長 中ノ森愼一 

3、改正容器包装リサイクル法・市民案解説
「大量リサイクルから2R優先へ、役割と見直しと新しい主体間連携」
第一次市民案・容器包装リサイクル法改正に向けての解説
講師 容器包装の3Rを進めるネットワーク事務局 中井八千代

4、行政・市民・事業者から問題提起と意見集約

 [ I Love 遠賀川流域デポジット法制化を求める事務局 妹川征男 ]
遠賀川には毎年大量のごみが流れ着いている。「環境教育」という名目でこどもたちにごみを拾わせている現状に胸を痛めている。環境問題の本質を捉えた環境教育をするべきだと思う。デポジット法制化をし、資源回収のシステムを構築しない限り遠賀川流域のごみ問題は解決しない。

 [ ワーカーズ・ごみ問題研究会 片山純子 ]
ごみの総排出量は4625万トン、1日1人当たりの排出量は994gで年々減ってきているもののごみの量が大きく増え始めた昭和60年代と変わらない。容器包装リサイクル法、循環型社会形成推進基本法があるにもかかわらず現在のリサイクル率は約20%となっている。リサイクルではなく、Rびんリユースシステムのようなものができないか。EPRの中身が確立されていないことも問題だ。ごみ処理費用を誰が負担するかがごみ問題解決の大きなポイントである。ごみ処理費用は税金で負担されているが、消費者・流通業者・販売業者が負担するような仕組みをつくるべきだ。

 [ ちっご委員会 荒木フサヱ ]
ポイ捨は深刻な問題でありプラスチック対策はとくに重要な課題である。大木町でのデポジット実験や海外でのデポジット制度の事例をもとにデポジット制度化を提案。大量リサイクルではごみ問題は解決しない。ごみ処理・大量リサイクルから発生抑制への転換が必要であり、拡大生産者責任・デポジット制度の確立など効果的な入り口対策の制度化が必要だと考えている。

 [ (株)田中商店 田中利和 ]
ガラスびんリユース・リサイクル工場(水俣工場)での事例をもとにびんリユース事業を紹介。びんリユースは生産者にとって1.社会的責任2.資材コスト削減3.作業の効率化4.廃棄物処理費用の削減といったメリットがある。流通業者にとっては1.リユース手数料の発生2.廃棄物処理費用の削減の効果がある。地方自治体にとっては1.廃棄物の削減2.節税効果のメリットがある。
びんリユース事業を通して、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会構造から資源循環型社会へと転換するには、市民・行政・産業界の連携・協力体制の構築が必要不可欠であるということが見えてきた。

 [ 水俣市環境モデル都市推進課 池崎翔子 ]
水俣市は1992年に環境モデル都市づくり宣言を行い、様々な環境施策を進めてきた。特に市民協働で進めてきた、ごみの高度分別収集は、当市における環境施策の根幹を成すもので、その後の取組に市民協働という大きな影響を与えている。水俣市が目指すゼロウェイストとは、各家庭や個人が生活の中で資源やエネルギーの消費をできるだけ減らすこと、暮らしの中で使うものを無駄なくできるだけ回すこと、自然に捨てなければならないごみを限りなく減らすこと、そのための暮らしや仕組みをみんなで作り支えていくこととしている。

 [ 大木町環境課 境公雄 ]
大木町はゼロウェイスト宣言として、10年以内にごみを燃やしたり埋め立てたりするのをやめることを目指している。焼却に頼りすぎていることがごみ問題の解決を阻んでいる。焼却頼ると非常にお金がかかり、さらに無駄も多いので考え直す必要がある。また大量リサイクルもごみ問題解決を難しくしている。容リ法を変えていってリサイクルを抜本的に変える必要がある。住民・自治体・事業者がうまく役割分担し協力することができればごみ問題を解決するのは難しくないと考えている。

<質疑・意見>
プラスチックについて、メーカーはリサイクルしやすい素材を使用してほしい。
なぜ行政や経済界は外国に比べて動きが鈍いのか?
ごみ拾い活動でのごみはリサイクルにまわせるか?
使い捨てのものにただ反対するのではなく、使い捨てのものを断ることで消費者が得をするような仕組みを考えることが必要だと思う。
こどもたちにマイバッグ、マイボトル、マイカップの習慣をつける活動をしている。
拡大生産者責任やデポジットに対して経済界はなぜデメリットと感じるのか?
事業所で出るごみの中には資源になるものがある。それらのものが高く売れる仕組みができればごみは減ると思う。