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学習会 『持続可能な低炭素社会への移行と見える化政策』

2012年2月15日、流通環境経営研究所代表の上山さんを講師にお招きし、第6回学習会を開催しました。 上山さんは、長年、イオンリテール(株)の環境部長として、レジ袋有料化やCSR、環境配慮設計等に積極的に取り組んで来られました。ご講演では、「容リ法次期改正に向けた解決すべき課題」「環境を『力』にするビジネス新戦略」「カーボンフットプリント制度の動向と戦略的意味」等々、幅広くお話しいただきました。

■テーマ『持続可能な低炭素社会への移行と見える化政策』
〜容器包装リサイクル法改正とカーボンフットプリント制度を中心として〜
【講師】 上山静一さん(流通環境経営研究所代表)
【日時】 2月15日(水)14:00〜16:40
【場所】 飯田橋セントラルプラザ 16F(Aルーム)
【主催】 容器包装の3Rを進める全国ネットワーク

■ご講演いただいた中で、容リ法関連のポイントは以下のとおりです。
・前回の容リ法改正を契機として、レジ袋削減のための自主協定を320自治体と締結した。
・現在は、地方で「話し合いの場」が進化し 次の課題に挑戦する地域も出ている(例 神戸、札幌)、一方 大都市では 停滞しているところがあり課題である。
・イオンとしては、削減できなかった残り20%をバイオPEへ切り替え、GHGを削減している。
・次の環境戦略のポイントは、「見える化」と「DfE」である。
・容器包装の環境配慮としては、「環境負荷削減」「資源の有効利用」「社会コストの削減」「市民のわかりやすさ」が重要である。
・EPRは軽量化には効果があったが、環境配慮設計の推進には効果は限定的と考えられる。
・役割分担を単に費用負担の付け替えとするのではなく、本来的な役割とは何かを論議すべき。

■主な質疑応答のポイントは以下のとおりです。
Q.レジ袋有料化について、どう社員を説得したのか?
→当初は 社内は多くの反対を含めいろんな意見があったが NPOや市民団体の方方が店の利用を呼び掛け それが店のスタッフに自信をあたえ客数もすぐ戻り 80%のレジ袋削減が実現できた。またスタートまでに1年半計17回の各セクター間の話合いが成功のベースにある。
Q.EPRがDfEの効果がないとは?
→意味はあるが、インセンティブにつながらなかったというのが、OECDの評価となっている。
Q.EPRへの意見はどうか?
→本質的な議論をすべき。目的を明らかにして、透明性を高め各セクターが 各々本来の役割を果たしていくべき課題。
Q.自治体の収集費にバラツキがあるが、標準的な数値が必要か?
→自治体への廃棄物管理会計の導入が必須である。
Q.自主協定を全国レベルでできないか?
→イオン単独であれば環境省との協定はあるが、業界全体では難しい。
→具体的な取り組みは地域ごとが望ましい。インセンティブは国のしくみが必要。
Q.軽量化は、再商品化に問題はないか。スチールは逆有償になるのではないか?
→トータルで環境評価することが必要である。日本は自販機が多いので、一定の強度が必要である。
Q.DfEの対象は?
→最終的にはごみ処理も含むだろう。但し、1〜2円のプラスには拒否反応もあり、内部化は非常に厳しい

(文責/3R全国ネット事務局)