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学習会 『西欧における容器包装リサイクルの最新情報』 』

10月17日、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)の金谷扇さん(環境エネルギー部
副主任研究員)をお招きして、学習会を行いました。金谷扇さん
参加者は総勢でも16名と小規模でしたが、金谷さんのポイントを押さえた丁寧な報 告と、アットホームな中での活発な質疑により、あっという間に終了時間となって しまいました。

 


■テーマ 『西欧における容器包装リサイクルの最新情報』
【日 時】 10月17日(月)14:00〜16:40
【場 所】 飯田橋セントラルプラザ 17F(教室Cルーム)
【資料代】 500円
【主 催】 容器包装の3Rを進める全国ネットワーク

お話ただいたポイントは、1)EUにおける容器包装リサイクル政策、2)各国の容器
包装リサイクルシステム(ドイツ、フランス、ベルギー)、3)容器包装の発生抑制
施策で、概要は以下のとおりです。

(容器包装リサイクル制度の背景・法制度の概要)
・EUでは、最適なリサイクルの実現という基本設計があり、その実現ために生産量
に応じたリサイクル率等に係る「数値目標」が定められていることに特徴があ
る。このため、目標率には最低目標と最高目標がある。なお、目標率を達成するた
めのシステムについては、各国に委ねられている。

(対象物の範囲)
・ドイツ以外の多くの国では、実際に回収・リサイクルされているプラスチック容
器包装はボトル等に限定されている。このため、現在は日本のケミカルリサイクル
は行われていない。(ドイツではRPFが行われている)
・事業系容器包装に対する回収・リサイクルも法制度の対象となっている。
・ドイツの一部の地域では、容器包装以外のプラスチックの一括回収・選別がみら
れる。

(分別収集〜再商品化に係るシステム)
・収集、選別、再商品化の各工程について事業者への委託(広域処理を含む)によ
り運用されている。
・フランス、スウェーデンでは、生産者責任組織の他に、素材毎の引き取り保証組
織が存在し、廃プラスチックが逆有償となった場合の価格保証の機能を果たしてい
る。
・ドイツ、イギリスでは、生産者責任組織間の競争が進んでいる。

(分別収集〜再商品化に係る具体的方法・実態)
・自動選別機の普及に伴い、選別コストの低減が進んでいる。
・選別された廃プラスチック(PP、PE、PET、HDPE等)の有償化が進ん
でいる。

(費用負担について)
・ 費用はすべての容器包装の事業者が負担の対象となり、リサイクルされない容器やリサイクルが逆有償となる容器のライセンス料は高く設定されている。
・ ベルギ゛ーやフランスでは、事業者が自治体の収集費用の全額又は一部を負担するが、再商品化は有償化が進んでいるため、現在は費用負担はない。

(発生抑制に向けた施策)
・EU指令に基づき、容器包装の減量・減容化、有害物質規制、リサイクル容易化
が進んでいる。
・ドイツ、スウェーデン他では、ワンウェイ容器のデポジット制度が導入されてい
る。

(文責/3R全国ネット事務局)