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第281号(2025年12月19日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 281号   2025 年 12 月 19日

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 2025年末、東南アジアや南アジアで発生した記録的豪雨による洪水や土砂災害は、気候危機が“未来の脅威”ではなく“現在の悲劇”であることを物語っています。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 「パリ協定」から10年となる2025年11月、ブラジルで開催されたCOP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)では、途上国への資金援助を2035年までに3倍(基準年不明)とする努力目標が合意されました。「化石燃料からの脱却」は、産油国の反対により、最終合意文書に盛り込まれませんでした。このままでは2100年に産業革命前から2.8℃も上昇してしまいます。なお、今回、新たに気候変動を巡って広がる「偽情報」への対策を促進する宣言が採択されましたが、日本政府は署名しませんでした。 今日の気候危機は、生存権、財産権などの基本的人権を脅かす深刻な問題として認識され始めており、世界各国で政府や企業を相手取った訴訟が提起されています。

 2019年アージェンダ事件のオランダ最高裁判決が嚆矢ですが、その後も2021年ドイツ若者気候訴訟の連邦憲法裁判決、2022年ブラジル最高裁判決、2024年インド最高裁判決、韓国若者気候訴訟の憲法裁判決、米国モンタナ州若者気候訴訟の最高裁判決などがあります。

 日本でも、2024年8月、北海道から九州までの若者が、日本のCO2排出量(エネルギー起源)の約3割を占める主要電力事業者を被告として、パリ協定の「1.5℃目標」と整合する水準での排出削減の実行を求める民事訴訟(若者気候訴訟)を名古屋地裁に起しました。 2026年1月8日(木)、第5回口頭弁論が名古屋地裁で開かれます。注視するとともに、応援してゆきたいと思います。 https://youth4cj.jp/

 (運営委員 山本義美)

 ------- 目 次 --- C o n t e n t s ------------------------------- 

巻頭言
<1> 2030年までに人工芝の生産・流通の原則禁止を求める公開書簡を提出 【減プラネット 】2025年12月8日
<2> 【レポート】 生分解性プラスチックでも油断できない? PLAマイクロプラスチックが腸を介して肝臓に 影響する可能性
<3> 地域からの報告 小山の環境を考える市民の会 楠通昭 さんからの報告

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■ <1>2030年までに人工芝の生産・流通の原則禁止を求める公開書簡を提出 ■ 2025年12月8日 < 減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク>

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 3R全国ネットは「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」の一員として、プラスチックの自然界への流出を防ぐための実効性のある政策導入に向けて提言を行っています。

 2025年12月8日、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバーおよび賛同135団体は、マイクロプラスチックの発生源となる人工芝の問題について「人工芝の生産と流通を遅くとも2030年までに原則禁止することを求める公開書簡」を経済産業大臣、環境大臣、文部科学大臣に提出しました。また、この問題を広く周知し、提言への理解をいただけるよう、ホームページにて書簡と詳細資料を公開しました。

 公園やスポーツ施設などで広く使用されている人工芝は有害性の高いプラスチック製品で、踏圧や擦り切れることで膨大な量のマイクロプラスチックが発生します。マイクロプラスチック化した人工芝は、降雨などで自然環境中に流出し、さらに、大気中への飛散を防ぐ技術は現在確立されていません。

 また、人工芝や充填材として使われるゴムチップには、PFASやフタル酸エステル類、多環芳香族炭化水素などの有害な化学物質が数多く含まれています。自然界に流出した人工芝由来のマイクロプラスチックを魚や野鳥が摂食することにより生態系に悪影響をおよぼし、生物多様性を大きく損失させるおそれがあります。人工芝由来のマイクロプラスチックは大気中にも拡散するため、?どもたちがマイクロプラスチック粒?を吸?する可能性があり、 競技者・利用者の健康への影響も懸念されます。

 そこで、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークでは、赤澤亮正経済産業大臣、石原宏高環境大臣あてに「人工芝の生産や流通を遅くとも2030年までに原則禁止することを求める公開書簡」を、松本洋平文部科学大臣あてに「人工芝化の規制についての公開書簡」を提出しました。

 書簡全文と詳細資料は、下記よりご覧ください。

人工芝の生産や流通を遅くとも2030年までに原則禁止することを求める公開書簡(PDF:255KB)
人工芝化の規制についての公開書簡(PDF:271KB)
別紙 人工芝の有害性について(PDF:199KB)

 (運営委員長 中井八千代 )

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■  <2> 【レポート】生分解性プラスチックでも油断できない?
 ■         PLAマイクロプラスチックが腸を介して肝臓に影響する可能性

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「生分解性だから安全」??そんなイメージを見直す必要があるかもしれません。

  中国・南方医科大学の研究チームは、生分解性プラスチックの代表である PLA(ポリ乳酸) が、分解の途中で生じる微細な粒子として体に入ると、腸内細菌の変化を通じて肝臓に悪影響を与える可能性を報告しました。

 ■ PLAは“完全に分解される前”が問題になる
PLAは本来、最終的には水や二酸化炭素に分解される素材です。 しかし自然環境では完全分解に時間がかかり、その途中で ポリマー(元の形) や オリゴマー(部分的に分解された状態) のマイクロプラスチックが発生します。研究チームは、この「分解途中のPLA」が体内でどのように作用するのかを、マウスを使って28日間調べました。

 ■ 腸内細菌が乱れ、尿酸が上昇し、肝臓の脂質代謝が変化
実験では、ポリマー型とオリゴマー型のPLAマイクロプラスチックをマウスに投与し、腸内細菌、血液、肝臓の状態を多角的に解析しました。 その結果、次のような変化が確認されました。

 ● 腸内細菌叢のバランスが崩れる PLAの暴露により、腸内細菌の構成が大きく変化しました。
● 血漿と肝臓の「尿酸」が上昇 腸内細菌の変化が、体内の尿酸代謝に影響し、尿酸レベルが上昇しました。
● 尿酸が肝臓の遺伝子(HSD17B13)を活性化 この遺伝子は脂質代謝に関わっており、活性化すると肝臓に脂肪が溜まりやすくなります。
● 結果として、肝臓に脂肪滴が蓄積し、炎症や線維化が進行 PLAそのものが直接肝臓を傷つけるのではなく、「腸内細菌の変化 → 尿酸の上昇 → 脂質代謝の乱れ」という間接的な経路で肝障害が進むことが 示されました。

 ■ 腸内でPLAが“完全に分解”されると毒性は大幅に軽減
研究では、腸内細菌がPLAを完全に分解できる状態をつくると、尿酸の上昇も肝臓のダメージもほとんど見られませんでした。 つまり、PLAの安全性は「生分解性かどうか」ではなく「完全に分解される環境があるかどうか」に左右されるという重要な示唆が得られます。

 ■ 3Rの視点で見えてくること
この研究は、3Rに関心のある消費者にとって次のようなポイントを示しています。
@ 生分解性プラスチックも“使い捨て”を増やせば問題は解決しない 分解途中でマイクロプラスチックが発生し、健康影響の可能性もあるため、まずは「減らす(リデュース)」が最優先。
A PLA製品は「自然に任せれば安全」ではない 完全分解には特定の条件が必要で、環境中では不完全分解が起きやすい。
B 腸内環境がマイクロプラスチックの影響を左右する 腸内細菌が毒性の鍵を握るという新しい視点は、健康行動にもつながる。

 ■ まとめ
PLAは環境にやさしい素材として期待されていますが、分解途中のマイクロプラスチックが腸内細菌を乱し、尿酸代謝を通じて肝臓に影響する可能性が示されました。生分解性プラスチックの利用をどう位置づけるか、3Rの視点から改めて考える必要がありそうです。 

(運営委員 小寺正明) 

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■ <3> 地域からの報告 水俣エコタウン
■    小山の環境を考える市民の会 楠通昭 さんからの報告
■              (2025/5〜2025/11) 
■     < 3R政策地域研究会 in 栃木 >

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 栃木県では小山広域の中で地域の環境問題全般に取り組む小山市の「小山の環境を考える市民の会」と下野市の「環境問題を考える会」の2団体が交流しながら活動しています。今回も3R全国ネットワークのオンラインセミナー参加やニュースを月例会のテーマとして活用し環境講演会の開催や各種イベント活動を行ったので,そのうちのごみ問題の関連活動を下記報告します。

 1. プラ削減オンラインセミナーに参加(第25回〜第28回、5月〜11月) 下野は第25回〜第28回、小山は第26回のみ
2. 総会・春の環境講演会開催(小山、5月)下野から参加 「県南における産業廃棄物処理の現状と問題点・課題について」 県環境森林部資源循環推進課
3.「産業廃棄物処理の今後の進め方の検討会」栃木県・小山市・当会(小山、7月)
4.下野市環境市民会議運営委員会、市政懇談会に出席(下野、9月〜10月) 広域のごみ袋制導入効果確認やごみ減量化の状況への質問と要請を行った。
5.人工芝対策の公開書簡(減プラネット)に賛同団体として参加(下野、小山、10月)
6.下野市市民活動センターまつりに参加出展(ごみ減量化の啓発、ほか 10月)
7.下野市産業祭の環境市民会議の団体として参加出展(ごみ分別クイズ、はか 11月)
8.「お店のプラスチック調査2025」に参加(小山、11月) 小山市内のスーパー19店舗、28回調査(7人参加) 

補足コメント
  小山広域保健衛生組合では、燃やすごみを減らすため今年4月より燃やすごみの指定ごみ袋制(非有料化)を導入し、同時に市民の分別意識を高めるため名称を「もやすしかないごみ」に変更しました。
 公式サイトにより4月〜9月の実績で昨年の同時期に比較して、もやすしかないごみが13.8%減少し、資源ごみはプラ容器が23.2%増加、雑紙も14.5%増加しました。 指定袋と名称変更のみで燃やすごみを大幅に減量化したのは全国的にも前例がないと思われるので、これは画期的なことと言えます。ただし、燃やすしかないごみの減少量に対し資源ごみの合計増加量が少ないので、減少した要因の内訳を調査し更なる改善に取り組む必要があります。
 要請済みですが、製品プラの再資源化や雑紙の禁忌品の再資源化も今後の課題です。 

 ------------------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2025年12月18日(木)19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民運動全国センター内
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