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「メールニュース」 バックナンバー

第247号(2023年2月21日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 247号   2023 年 2 月 21 日

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 「燃やせるごみ」と「燃やすしかないごみ」

  身近な問題として、分別上の「燃やすごみ」について改めて考えてみました。昨年のメールニュース(第238号)でも紹介しましたが、栃木県小山広域では、焼却施設の容量不足を回避するため、燃やすごみを2027年までに5,000t減らすことを目標としており、そのために指定ごみ袋制を導入する方針です。筆者は小山広域組合の廃棄物減量化対策推進検討会に委員としてこの問題に関わって いるので、(他地域の参考にもなると思い)その後の経緯を紹介します。

 昨年秋、同組合では指定ごみ袋制に関する住民アンケートを行いました。その結果、有料指定袋への賛成は1割弱だが、市場価格での指定ごみ袋には7割以上が賛成しました。それは経済的負担から当然とも言えますが、一方で指定袋を導入しても今までと変わらないとの意見が半分もありました。そこで市場価格での指定袋制を効果的に導入するとしたら、どうすればよいか考えました。

 燃やすごみとは「燃やしてもよい」のではなく「燃やすしかない」のだと理解し、燃やすごみ(可燃ごみ)の名称を「燃やすしかないごみ」に変えることを提案しました。それは、市民が燃やすごみとして分別する際に、本当に燃やすしかないのか、資源物を混入させてないか、改めて考えてもらうためです。

 実はこれを実践した自治体があります。福岡県の柳川市は燃やすごみを減らすため、2021年から可燃ごみ袋を一新し、名称を「燃やすしかないごみ」に変更しました。同時に大袋のみ価格を2倍にしていますが、その後に燃やすごみが1割減ったと報告されています。更に、レジ袋禁止条例で有名な京都府亀岡市も柳川市に続いて今年から袋の名称を「燃やすしかないごみ」に変更しました。 更に、小山広域組合がこれを採用すれば3番目になるわけですが、今後全国的に波及していくことも考えられます。

 小山広域での調査結果では、排出ごみの7割以上を燃やすごみが占めており、その7割以上を占める家庭ごみには、資源物(プラ容器包装、雑紙等)が2割も混入しています。これを本来の資源物に分別するだけで焼却ごみを2割減らせるはずですが、加えてプラスチックの一括資源化も実施すれば容器包装以外の燃やすプラが更に減ることになります。これについては検討会の席上で再三提案・要請していますが、残念ながらあまり進んでいません。しかし構成市町で回収方法等の検討に着手したとのことなので、今後の進展をフォローしたいと思います。(回収ルートや費用分担が課題になるとは思いますが。)

 なお、燃やすごみのうち75%は生ごみが占めています。その大半は食品ロス(売れ残り、食べ残し、賞味期限切れ)と言われているので、「燃やすしかないごみ」になる前に発生抑制(必要以上に作らない、食べるだけ買う、買ったものは早めに食べ切る)が必要です。以上により、「燃やすしかないごみ」も限りなく「ごみゼロ」に近づくと思います。 

(政策委員 益子友幸)

---- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------

 巻頭言
<1>【レポート】 食用の農作物からマイクロプラスチックを検出
<2> 地域からの報告 札幌ごみ減量実践活動ネットワーク事務局 溝口翔さんからの報告 

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■<1>【レポート 】 食用の農作物からマイクロプラスチックを検出

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 マイクロプラスチックは、長さ5ミリメートル以下の小さなプラスチック粒子で、川、海だけで無く、空気中や陸上のあらゆるところを循環して存在しています。

 農地には、プラスチックフィルムやプラスチック被覆肥料などが使われ、それらがマイクロプラスチックになる可能性があります。また、灌漑農業では灌漑水に、マイクロプラスチックが入っている家庭排水が混じっていると、農地にマイクロプラスチックが供給されます。また、マイクロプラスチックが入っている下水汚泥を堆肥にして農地に施用することで、農地にマイクロプラスチックが導入されます。

 中国科学院の科学者は、ポリスチレンおよびポリメチルメタクリレートのマイクロプラスチックを使って、レタス、小麦を栽培ししました。科学者たちは50ナノメートルのマイクロプラスチックが植物の側根の亀裂を通過することは知ってましたが、2マイクロメートルまでの球状のマイクロプラスチックが側根から茎に浸透している証拠を得ました。マイクロプラスチックはその後、根から芽に輸送されました。

 一方、イタリアの研究者は、スーパーマーケットなどで購入した野菜と果物(ニンジン、レタス、ブロッコリー、ジャガイモ、リンゴ、ナシ)の10μm未満のマイクロプラスチックを調べました。その結果、それらからマイクロプラスチック発見しました。特に、果物ではリンゴが最も汚染されていて、野菜ではニンジンが最も汚染されていました。マイクロプラスチックのサイズが最も小さかったのはニンジン(1.51μm)で、最も大きかったのはレタス(2.52μm)でした。

 これまで、食用の農作物、牛と豚の肉・血液・牛乳、人間の胎盤、母乳、肝臓、肺、血液などからマイクロプラスチックが検出されています。マイクロプラスチックの健康への影響が懸念されます。欧州では意図的に加えられたマイクロプラスチックを規制しようとしています。 

(運営委員 小寺正明)

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■<2>地域からの報告 札幌ごみ減量実践活動ネットワーク事務局
■   溝口 翔さんからの報告 <3R政策地域研究会in北海道>

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  当ネットワークは、市民団体・事業者・札幌市の三者が連携してごみ減量に取り組むための枠組みです。三者でアイディアを出し合い、市の一歩先を行く活動を目指して「さっぽろスリムネット」の愛称で活動しています。

 以下に事業例を挙げますが、まだ他にもありますので、是非一度ホームページをご覧ください。

・さっぽろスリムネットフォーラム「ファッションとごみ減量〜持続可能なファッションにチェンジ!〜」:3月4日(土)開催予定 (後日、YouTube配信有)
・ごみ減量ポスターコンクール:「ごみを減らそう」をテーマに市内の小学生から作品を募集
・元気なうちに3Rでお片づけ!セミナー:高齢化社会にあって心身の元気なうちに“モノを手放すコツ”をお伝えするセミナー
・環境教育出張講座:ゲームや模擬体験を通じて、ごみ減量を楽しく学べる講座

 さて、ネットワークの更なる拡大のため、昨年4月より、自らごみ減量活動に取り組む団体・事業者を対象とした「さっぽろスリムネット3Rパートナー」登録制度を新設しました。

 これまで計4つの団体・事業者に登録いただき、一部のパートナーとの間では、当ネットワーク事業とのコラボレーションも始まっています。

 例えば、当ネットワークでは、子ども向けにゲームを使った環境教育イベントを開催しているのですが、より多くの子どもに参加してもらいたいと考えていました。一方、3Rパートナーで子ども服のおさがり交換を行う団体があり、子ども服をまだまだ集めたいという希望をお持ちでした。

 そこで、この2つをコラボさせ、3月に実験的に環境教育イベントの会場で子ども服回収を行うことになりました。どのような相乗効果が出るのか楽しみです。 3Rパートナーが加わり、新たな段階に入った当ネットワークの活動に、今後もご期待ください。

------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 :2023年2月24 日(金)19:30〜21:00・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0093 東京都千代田区平河町2-12-2 藤森ビル6B
市民運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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