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第238号(2022年5月17日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 238号   2022 年 5 月 17 日

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 ごみ減量化に関連して栃木県でのローカルな話題を紹介します。
 この2月に宇都宮市の主力ごみ焼却施設で大規模火災事故(燃やすごみがピット内で自然発火?)が発生し、宇都宮市はごみ焼却能力の7割を失なうという非常事態になりました。完全復旧には半年以上かかるため、同市は緊急処置として市民に燃やすごみの排出半減を呼びかけましたが、市民にそれができるはずもなく、同市は県内外の公共・民間施設にごみ焼却を分散委託して凌いでいます。それは小山広域組合にも依頼されましたが、同組合は以下の理由で断ったとのことです。

 小山広域内の燃やすごみは増加傾向から横ばいで推移し、このままでは組合の焼却能力を超えてしまうとして、2027年までに5,000tの削減目標を設定しました。その方策として指定ごみ袋制の導入を計画しています。
これは市場価格での指定袋なので一般の有料化とは異なります。しかしレジ袋が有料化されて以来、市民はごみ出しのために市販のポリ袋購入を余儀なくされているので、市販価格の指定袋制でごみ減量化の効果が出るのか疑問があります。また、最近では指定ごみ袋が店頭で品切れになる問題も発生しています(栃木市、つくば市、西宮市、他)。これは指定袋を海外(ベトナム、中国等)から調達しているため、コロナ禍やウクライナ紛争の影響で船便が停滞したことが原因とのことです。

 以上から、ごみ袋を市販品から指定品に変えるなら、その実効性と共に調達の仕方にも注意する必要があります。一方で、小山広域での燃やすごみの内訳を見ると、資源ごみ(プラ容器、雑紙、古布等)が2割も混入している事実があり、これらの分別を徹底するだけで目標の5,000t削減は十分可能になります。更に4月から施行されたプラスチック資源循環促進法による全プラの資源化や、紙製容器の禁忌品(紙パック等)の資源化にも取り組むなら、燃やすごみは更に減らせるはずです。これらは小山広域組合内に設置された廃棄物減量化対策推進検討会(筆者も公募委員で参加)で議論されていますが、組合は指定袋制にこだわる一方、プラ資源循環や紙製容器の資源化には消極的な姿勢です。

 なお、容リ法の実績からも言えることですが、自治体がプラ資源循環促進法の施行に取り組むために、その費用負担を軽減する仕組み、そのために拡大生産者責任の徹底を図ることが不可欠になると考えます。

(政策委員 益子友幸)

----- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 【レポート】 人間の血液中からマイクロプラスチック粒子を発見
<2> 地域からの報告  新潟てtoて倶楽部・永澤由紀子さんからの報告 

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■<1>【レポート】 人間の血液中からマイクロプラスチック粒子を発見

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 オランダの科学者たちの研究を紹介します。マイクロプラスチック粒子は、生活環境や食物連鎖に遍在する汚染物質ですが、これまでのところ、人間の血液中のマイクロプラスチック粒子の内部曝露について報告された研究はありませんでした。科学者たちは、ガスクロマトグラフィー/質量分析を使用した堅牢で高感度のサンプリングおよび分析方法を開発し、22人の健康な非絶食成人ボランティアからのヒト全血中の700nm以上のプラスチック粒子の測定に適用しました。4つの大量生産ポリマーが、血液中で初めて同定および定量化されました。

 ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、スチレンのポリマー(ポリスチレン、発泡スチロール、アセトニトリルブタジエンスチレンなどの合計)が最も広く見られ、次にポリメチルメタアクリレートが続きました。ポリプロピレンを分析しましたが、値は定量限界を下回りました。22人のうち17人でマイクロプラスチックを発見しました。そのうち半数にペットボトルなどに使われるポリエチレンテレフタレート(PET)が、3分の1にプラモデルなどに使われるポリスチレンが、4分の1に食品包装などに使われるポリエチレンが含まれていたと、科学者たちは報告しています。5人にはマイクロプラスチックが見つかっていません。どんな生活がマイクロプラスチックに汚染されないのか気になるところです。

 少数のドナーを対象としたこの研究では、血液中のプラスチック粒子の定量可能な濃度の合計の平均は1.6μg / mlであり、ヒトの血液中のプラスチックのポリマー成分の質量濃度の最初の測定値を示しています。体重60kgの人では8mg弱のマイクロプラスチックが血液中にあることになります。

 この先駆的な人間のバイオモニタリング研究は、プラスチック粒子が人間の血流への取り込みに生物学的に利用可能であることを示しました。プラスチック粒子への暴露が健康へのリスクであるかどうかは、今後の研究が必要です。

(運営委員 小寺正明)

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■<2> 地域からの報告 てtoて倶楽部・永澤由紀子さんからの報告
■ <3R政策地域研究会in新潟>

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 <“ 楽しい ”がつくる環境配慮の暮らし>

 通い慣れた園芸店への道筋にある無料給水スポット「Mymizu」は、祖父母から受け継いでリノベーションした小さな酒店に設置されている。若い店主がセレクトする日本酒やワインはもちろん、入り口の窓辺に並ぶ秤売り洗濯洗剤、環境に配慮した歯ブラシや竹箸、そして小袋のおやつも並んでいる。店内の商品を一つ一つ手に取るのも楽しく、「Fun to Drink;」の看板もうなずける。

 コンビニやスーパーマーケットのレジ袋やペットボトルの削減に行きがちですが目を転じると、平均年齢30才と若い店主たちが環境に配慮した商品を紹介し、「Fun to Drink;」楽しく飲んで暮らそうよと、そっと背中を押してくれている。容器包装リサイクル法に始まった削減手法は、法に向き合ってきた私たちには十分ではないけれど、平成7年の施行から27年を経て、社会は確実に変わっていることをわたご酒店は教えてくれている。


--------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2022年6月17日(金) 19:30〜21:30・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
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