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「メールニュース」 バックナンバー

第237号(2022年4月18日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 237号   2022 年 4 月 18 日

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 あらたな法律は、循環型社会への転換の契機となるか

 「 プラスチック資源循環法」がこの4月から施行され、商品に漏れなくついていたスプーンやマドラー、ホテルでのアメニティグッズなど、12種類の使い捨てプラスチック製品の削減が義務付けられたことはご存じのことと思います。
同時に、事業者に対する国としてのプラスチックの「環境配慮設計指針」も発表されました。

 しかし、これはあくまで国の指針であり、業界団体等における製品分野ごとの設計の標準化や設計のガイドライン等の策定は、まだこれからの課題です。

 容器以外の製品プラスチックも対象にはなったことは前進ではありますが、容リ法においても拡大生産者責任が徹底されず、発生抑制にまでは及ばなかったことへの反省が生かされているのかが危ぶまれるところです。零細事業者も含め対象事業者も増え、対象素材も増えていくことを考えると、課題は山積であるといえましょう。

 自治体のプラごみ収集の見直しも必須となります。しかし、容リプラ回収にも取り組めなかった自治体も少なくないなか、容易に進むとは思われません。二つの法律の関係はどうなるのか、あらたな一括収集への取り組みへの補助や支援策は、など自治体もまだ情報収集の段階であると思われます。

 実際、昨年7月〜8月の環境省の調査では、自治体の努力義務とされる家庭の「容リプラと製品プラの一括回収」は、施行後3年以内に導入を検討する市区町村と広域行政組合が、全国で72団体にとどまる(回答した自治体の1%未満)との報道がありました。

 あらたな一括収集システムを構築し、拡大生産者責任による資源化を進めるためには、計画作りの段階からの事業者と、市民の参画が不可欠です。まずは、市民から、自治体の意欲を促し、これからの循環型社会に向けての資源の収集システム再構築と、熱回収ではない持続可能な循環型社会への方針づくりに、市民参加で着手するよう、働きかけていきましょう。

  3Rネットでは、現状の手選別によるカスケードリサイクルから、光学式選別機を使って素材別に分別することで資源価値を高め、経費削減と高度なリサイクルへの転換を提案しています。もちろん、単一素材化を進めること、私たち消費者の徹底した分別協力が欠かせないことは言うまでもありません。

(運営委員長 中井 八千代)

----- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 【レポート】 水辺に散乱するレジ袋減少!
<2> 地域からの報告 NPO法人 環境り・ふれんず 東 飛郎さんからの報告 

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■<1>【レポート】水辺に散乱するレジ袋減少!

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 プラスチック削減の様々な取り組みが以前に比べると身近なところででも見聞きするようになりました。しかし、それがすぐに海ごみ削減に直結するかはわかりづらいものです。

 この度、水辺でのごみ個数調査で興味深い結果が出ています。2020年はコロナ禍で調査件数は激減していますが、2021年は少人数や個人での調査が増えて前年比の調査件数が増えています。2020年に比べて2021年の調査結果は以下の通りでした。

・調査件数(701件)  前年比 1.76倍
・調査距離(のべ206km)     1.89倍
・飲料ペットボトル(27,843本)  3.32倍
・カップ型飲料容器(2,331個)  2.07倍
・レジ袋(6,076枚)        0.86倍
 (全国川ごみネットワークによる「水辺のごみ見っけ!2021」調査結果より)

 調査地点が様々であるために単純な比較はできませんが、調査件数や距離が増えているのに比べ、水辺に散乱しているレジ袋が減ったという値です!参加者の「レジ袋が減った」という声がいくつも見られます(但し、レジ袋が増えたというところもありました)。

 2021年の高密度ポリエチレンフィルムのレジ袋としての出荷量は前年比68.4%(日本ポリオレフィンフィルム工業組合のデータより)と減少していますが、それだけでなく実際に水辺に散乱している個数も減少したこととなりました。データ数が少ないのでこれだけで断定はできませんが、レジ袋有料化の効果と推測します。廃プラスチック全体量からすればわずかかもしれませんが、自然界への散乱ごみ減少の一例になったことと思われます。他の使い捨てプラスチックについてもより多くの人が削減に取り組み全体量削減が進む仕組みづくりが望まれます。

(運営委員 伊藤浩子)

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■<2> 地域からの報告 NPO法人 環境り・ふれんず 東 飛郎さんからの報告

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 【消費者は、びんのリユースをどう思っているのか】

 先日、日本酒造組合中央会主催で、びんの3Rを推進するためのステークホルダー会議があり、メーカー・卸・小売酒販売店・びん商・P箱レンタルなどの関係業界、消費者・市民団体・行政などが集まり、意見交換が行われました。その中で市民団体の立場で事例発表する機会をいただいたのですが、話をいただいたときに「そもそも自分がリユースびんのことを、しっかりと考えていただろうか」と気が付いたので、事前に消費者のリユースびんに対する意識調査(10代〜80代の札幌市民100人対象)を行い、その結果を発表することにしました。

 調査して驚いたのが、まず6割以上の方がリユースびん(リターナブルびん)の名称や意味を知りませんでした。そしてほとんどの方が自宅から出た空きびんは全てリユースされない方法で出していることがわかりました。

 しかし、回収拠点に持ち込まないのには「持ち込む場所がわからない・少ない・遠い」という理由があり、びんのリユース率の低下と共に、回収拠点が減少しているという背景が浮き彫りになりました。

 つまり単純に市民の意識が低いわけではなく、寧ろ『脱プラスチック』『ゼロカーボン』『SDGs』など昔はなかったキーワードが続々と出てきており、消費者は以前よりサスティナブルな活動を身近に感じていて、ほとんどの方から環境さえ整えばびんのリユースに協力したいという意見をいただいたことから、未来への希望を感じました。その証拠にアンケートの自由記入欄には「リユースできるびんにわかりやすい目印をつけたらいい」「メーカー同士が協力して、びんの規格を統一すれば再利用の動きが活発になるのでは」等の前向きな意見がたくさん記入されていました。

 30年以上前、びんをお店に届けたらお金が貰えて、その足で駄菓子屋に行くのがルーティンで、空きびんが出るのを毎日楽しみにしていました。そんなワクワクした気持ちになれるような循環型社会が築ければ素敵だなと思います。

-------------------- 事務局からのお知らせ------------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2022年5月10日(火) 19:30〜21:30・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
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