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「メールニュース」 バックナンバー

第224号(2021年3月10日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 224号   2021 年 3 月 10 日

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「プラスチック一括回収」の基本となる「今後のプラスチック資源循環施策
のあり方」(環境省)に、プラスチック資源を巡る課題とSDGsの課題を同時
解決することが示されました。

この進め方は評価できますが、その前に未解決の課題があります。
まず、SDGsターゲット(12.5)・廃棄物は、「廃棄物の発生防止、削減、再
生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」ことを目標
としますが、「熱回収」を担保した日本型「リサイクル」が、世界の共通認識
と合致するのか疑問です。

二つ目は、「プラスチック一括回収」が市町村の役務とするならば、“ごみ
処理費は誰が負担するのか”、かねてからOECDが提唱して来た「拡大生
産者責任」に立ち返って、今一度、軌道修正することが必要と考えます。

手元に「ゼロ・ウェイスト」の町を特集した新聞記事があります。
朝日新聞(夕刊)のシリーズ《現場へ!「ごみゼロ」への道》が、[1]徳島県
上勝町、[2]福岡県大木町、[3]熊本県水俣市、[4]神奈川県葉山町と鹿児
島県大崎町、[5]奈良県斑鳩町と福岡県みやま市を連載しました。(西部版
今年1月25日から29日)

この中で、徳島県上勝町に新たな「ゼロ・ウェイストセンター」が完成したこ
と、福岡県大木町が環境省「第8回グッドライフアワード」(「環境と社会に良
い暮らし」を実現する活動)の優秀賞を昨年末に受賞したこと、福岡県みや
ま市が2020年9月「ゼロ・ウェイスト宣言」を採択したことを初めて知りました。

「ゼロ・ウェイスト宣言」の市町で開催される、年に一度の推進会議がありま
す。今年の開催はコロナ禍で見通しが立ちませんが、毎回参加して思う事は、
持続可能な社会のカタチを国が示せていないことへの懸念です。

「持続可能な未来」に必要なことは、日本全体が「ゼロ・ウェイスト」の理念を
共有し、「拡大生産者責任」の公平な負担・役割を果たしていくことに尽きる
と思います。 2030年まであと10年、目標達成を見届けたいと願っています。 

(政策委員 片山純子)

----- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------
巻頭言
<1> 第三回「プラスチック削減」オンライン連続セミナーを開催します!!
<2> プラスチック削減をめざす「 プラスチック資源循環促進法案」が
   閣議決定されました   
<3> 【レポート】エコテイクアウトを自治体が率先
<4> 水俣市・田中利和さんからの活動報告

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■<1>  第三回 「プラスチック削減」オンライン連続セミナーを開催します!!
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第三回は、京都大学地球環境学堂の浅利美鈴准教授をお招きします。
研究テーマは「ごみ」や「環境・SDGs教育」。
世界中すみずみの「ごみ」や暮らしぶりを観察して歩き、京都大学のサステイ
ナブルキャンパス化にも取り組んでいます。
2005年からは、京都議定書達成に向けた「びっくり!エコ100選」、エネルギ
ー問題にアクションを起こす「びっくりエコ発電所」、京都におけるSDGs実装
を目指す 「エコ〜るど京大」や「京都超SDGsコンソーシアム」などを展開。
2021年11月に第14回を開催する「3R・低炭素社会検定」の事務局長も務め
ておられます。

第三回 4/15 (木) 19:30〜21:00 浅利美鈴 京都大学准教授
「プラスチックとの持続可能な関係性とは?
〜多様なステークホルダーとの共創事例〜」 
詳しくは下記のちらしをご参照ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/20210415.pdf

▼参加費無料
▼申込み件名:「第三回プラ削減オンラインセミナー4月15日視聴希望」とし、
氏名、所属、TELを明記の上、  
▼ 申し込み先: reuse@citizens-i.org 迄
※申込後、入力いただいたメールアドレスに、お申込みを受け付けた旨と
 当日2日前に参加URLをお送りします。
ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちしております。

▼次回以降の講座予定  
第四回 5/17(月)19:30〜21:00  梅田靖 東京大学教授     
「サーキュラー・エコノミーによって持続可能な循環型社会に変わる」  
第五回 6/26 (土) 10:00〜11:30 井田徹治 共同通信社編集委員・論説委員      
「プラスチック汚染:世界と日本の今」
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※第一回連続セミナー(高田秀重教授)・アンケートの集計結果です。 
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/online01A.pdf
(運営委員長 中井八千代)

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■<2> プラスチック削減をめざす「 プラスチック資源循環促進法案」 が
■   閣議決定されました   
■   < 今国会に提出し、2022年4月の施行を目指す > 
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政府は9日、使い捨てプラスチックなどの削減を目指すプラスチック資源循環
促進法案を閣議決定しました。
・プラスチック製品の使用を抑えるため、使い捨てのスプーンやストローなど
を提供する小売店や飲食店に対して、使用削減を義務付ける。
・ 環境配慮設計に関する指針を策定し、 指針に適合した製品であることを認
定する仕組みを設ける
・家庭から出るプラスチック製のおもちゃやバケツなども「プラスチック資源」
として分別回収することを市区町村に求めるほか、プラスチックごみの大量排
出企業を対象に排出抑制やリサイクルを義務づける。等としています。

環境省_プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案の閣議決定に
ついて (env.go.jp)http://www.env.go.jp/press/109195.html

しかし残念なのは、推進するとされた「再資源化等」の中に、熱回収が含まれ
ており、地球温暖化を加速させかねないことです。
さらに、製造・販売事業者による「自主回収・再資源化」を推進するとしていま
すが、事業者に使用済みプラの回収の費用負担等を義務付ける制度(EPR)に
しなければ、効果は限られます。

大量生産・大量廃棄を大きく転換するためには、私たち23団体の「減プラスチ
ック社会を実現するNGOネットワーク」が作成した、「脱プラスチック推進基本
法案」の制定をめざして、皆で力を合わせて行きましょう。

◎脱プラスチック推進基本法案概要
 → http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/210214gaiyou.pdf

(運営委員長 中井八千代)

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■<3> <レポート> エコテイクアウトを自治体が率先
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岡山県北部の真庭市で「エコテイクアウト」の取組みが行われています。
コロナ禍の昨年5月から、真庭市が飲食店を対象に繰り返し使える食器の無
償提供をはじめています。無償で提供される食器は、メラミン製ですが、使い
捨てのプラスチック容器を減らすためには、紙製容器なども検討され、生産〜
使用〜廃棄までの環境影響を評価するライフサイクルアセスメントの観点から
リユース食器が選ばれたと市のご担当者さんはお話されています。

この食器の利用に限らず、マイ容器が利用できるお店は「エコテイクアウト実
践店」として市が用意したPOPポスターを掲示し市民にアピールし、市のホー
ムページでも紹介されています。和食、焼き肉、カフェなどの外食のお店ばか
りでなく、地ビール、ワイナリー、ケーキ、パンなどのお店もエコテイクアウト
実践店として紹介されています。

リユースのプラスチック容器の環境負荷は?と考えることがありましたが、環
境負荷も考えて市が率先し、容器持参で買い物ができるような仕組みができ
ることが素晴らしいことと感じます。仕組みができて、市民が支援していくこと
で、環境のことを考えることのない人でも、容器持参があたりまえのこととして
普及する地域が増えるのを望みたいものです。

(運営委員 伊藤浩子) 

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■ <4>水俣市の田中利和さんからの活動報告
■       <3R政策地域研究会in九州>
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【新型コロナウィルス感染症拡大に伴う静脈産業の危機】

私は、リユースびんの洗浄工場を経営していますが、昨年からの新型コロナウ
ィルス感染症拡大に伴う「緊急事態宣言」の影響により危機にたたされています。
特に飲食店(居酒屋)の時短や営業自粛の影響で、一升びん需要が激減、関連
する酒飲料メーカーや流通・卸・小売業の売上げが急落し、弊社のような資材を
提供する洗びん工場の稼働までにも影響が及ぶようになり、「負の連鎖」を痛感
する毎日です。

また、修学旅行や大学・自治体・JICAなど、年間1500人前後の研修生を受入れ
てきましたが、昨年はすべて中止。今年からはグリーンコープ生協の組合員を対
象としたオンライン研修のみ実施しています。ただ、この研修は子育て中の主婦
が多く、「3R」推進だけにとどまらず環境問題全般に対し意見交換を求められ、私
の方が逆に元気をいただく研修会になっています。

コロナウィルス感染症拡大は、マイナス要因ばかりが目立ちますが、このような
時だからこそ、皆が一度立ち止まって地球環境問題を素直に学び直し理解を深
めれば、将来を見据えた「グリーンコンシューマー」育成にも繋がる大きな要因
があると確信するようになりました。

私は、コロナウィルス感染症拡大の現状を「静脈産業の危機」と考えていました
が、オンライン研修は環境問題全般に対しての良き理解者を得る「チャンス」で
もあり、今後は国内のリユースびん事業だけではなく静脈産業を経営する仲間
たちに伝える活動をしていきます。

---------------- 事務局からのお知らせ------------------------------

● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : 2021年4月6日(火)19:30〜21:30・ ZOOM会議
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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