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「メールニュース」 バックナンバー

第219号(2020年10月20日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 219号   2020 年 10 月 20 日

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2020年が開けて間もなく世界中に広がった新型コロナウイルス感染症
は現在も感染者を増やし続けている。 このパンデミックの渦中、国内の
動きで大変驚いたのは、様々な防菌対策物資の不足が伝えられる中で、
マスクの自作が始まったことだ。私の手許にも届けられたマスク(必ずし
も手作りではない)が何十枚もある。自分に直接影響が出る場合は真剣
になる事の証左だと思う。 

長年、当会も積極的に進めてきたレジ袋有料化が、7月からやっと始ま
った。辞退率は70%〜80%と高い実績を上げており、ヒアリングした店側
も特段のクレームはそれほどなかったと答えていた。しかしメディア上で
は有料化に疑問を持つ意見も多数出ていたり、思わぬ方面で影響が出
ているようだ。

9月19日付け朝日新聞では「カゴパク」の増加と「ロールプラ」の減少速
度の増加の報道があった。「カゴパク」とはカゴをパクる(盗む)。スーパ
ーで精算した後の商品が入ったかごをそのまま持ち帰ってしまう人が続
出。埼玉県内の店ではこれまでは半年でなくなっていた数のカゴが有料
化開始の一ヶ月でなくなったとのこと。

「ロールプラ」はバラ売りや,水濡れが心配な商品のために無料で提供さ
れているロール状になったプラ袋。この袋が有料化開始前の1.5倍のスピ
ードでなくなっていて、中には30秒くらい巻き取り続ける人もいたなどの事
例が挙がっていた。足りなければ自作する、わずかな金額を払いたくない
から人のものを盗む、無料のものは必要以上に使用する。

これらの行動の間にある差はなんだろう。マスクで働く同調圧力が何故プ
ラスチック容器包装では働かないのか?自分に直接的影響を与える場合
は頼まれなくても行動するが、遠く離れた見えないところ、あるいは遠い未
来への影響には頼まれても行動しない。

今回のパンデミックで、地球上のある地点で起こったことがあっと言う間に
世界中に広がることを実感した。見えなくても、遠くても、時間が隔たってい
ても、?がっている事を理解し、当事者として行動しようと思う人が増えて
欲しいと願っている。
                                (運営委員 善財裕美)

----- 目 次 --- C o n t e n t s -----------------------------------
巻頭言
<1> 政府のプラごみ問題施策方針に対するNGO共同提言を環境大臣に提出 
<2> 【レポート】 飲料自販機の周囲のごみを減らしたい
<3> 長野県NPO法人みどりの市民 渡辺ヒデ子さんからの報告
   ―海ごみ対策地域リーダー養成講座を開催して そしてその後  
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■<1> 政府のプラごみ問題施策方針に対するNGO共同提言を環境大臣に提出
■   ― 代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を ―
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 減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び賛同20 団体は、
9月1日に政府より示された「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(https://www.env.go.jp/council/03recycle/0902pra3.pdf)」について、深刻なプラ
スチック汚染を確実に解決できるような指針としていくよう求める、小泉環境大臣、
及び、笹川環境副大臣宛ての共同提言書を、10月13日に提出しました。
今後速やかに、経済産業省等の関係省庁や各主要政党にも提出する予定です。

<減プラネット共同提言書> 
日本で発生する廃プラスチックの47%が、ほぼ使い捨て用途の容器包装である
中、容器包装を中心にプラスチック製品の生産総量を大幅に削減(リデュース)す
ることと、そのための社会システムの構築が、喫緊の課題です。
しかし、基本的方向性では、「リデュースの徹底」といった言葉は使われているも
のの、実質的には、代替品利用とリサイクルの推進、そして熱回収が解決案の中
心になっています。
そこで、減プラスチック社会を実現する NGO ネットワークのメンバー及び賛同20
団体は、以 下の内容を「基本的方向性」に取り入れることを求めます。

1. 総量を削減するための実効性のある政策の早期導入 
2. 容器包装分野における、リユースを基本とした仕組みの導入 
3. 拡大生産者責任制度の確立 
4. 代替品の位置づけ見直しと、持続可能性の確保 
5. 漁具等、海域で使用するプラスチックの管理施策の促進 
6. 法的拘束力のある国際協定締結の推進

詳しくはこちらをご覧ください.。⇓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/201013.pdf
(運営委員長 中井八千代)

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■ <2> 【レポート】 飲料自販機の周囲のごみを減らしたい

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飲料自販機脇にある「自販機専用空容器リサイクルボック」が溢れている光景を
見たことがある方は多いことと思われます。中には、タピオカの容器、スタバや
コンビニカフェ容器や、ごみが入ったレジ袋が、リサイクルボックスの口をパカッと
ふさいで飲料空容器を入れられない状況も度々見られます。

全国清涼飲料連合会が2018年に調査したところ、このリサイクルボックスの中の
約3割はタバコ関連、食品容器、酒容器その他の異物であったとのこと。
異物が混入すると飲料容器のリサイクルが困難となります。さらに、本来入れら
れるはずの飲料容器が溢れて周囲に散らかる原因ともなっています。

昨年秋のメーカー各社協働回収モデル事業の中で、「ビン・缶専用」「PETボトル
専用」のリサイクルボックスを2つ並べて分別回収の検証をしたところ、異物混入
率が12%に減少したと、今春発表されました。

栃木県小山市内内の「ウェルシア」では飲料メーカーと協働してPETボトルリサイ
クルの実証プロジェクトをはじめています。郊外型店舗で再生原料に適した洗浄
済みのPETボトルをたくさん回収しようとしています。

飲料メーカーは、リサイクルボックスの異物混入を減らし、再生可能な使用済容
器を確実に回収できるよう様々な検討を進めています。
リサイクルボックが一杯で、その横にペットボトルや缶が置かれているのは、
"置いたつもり"であり、雨や風で低いところ・川へと流され海ごみの原因にもな
ると考えられています。自販機脇のリサイクルボックの工夫をしたところでも、
ごみの散乱が10m移動しただけかもしれないことも考えられます。

私たちも、自販機脇のリサイクルボックスはごみ箱でないことを多くの人に周知し、
溢れて周囲に空き容器が散乱することないよう見守り続けたいものです。

(運営委員 伊藤 浩子)

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■ <3> 長野県NPO法人みどりの市民 渡辺ヒデ子さんからの報告
■   ―海ごみ対策地域リーダー養成講座を開催して そしてその後―
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 海なし県である長野県は、日本海、太平洋へと流れる河川の上流県の責務として
「信州プラスチックスマート運動」を推進しています。レジ袋の削減やリユース食器
の普及に取り組んできたNPO法人みどりの市民は、この運動の協力登録団体とし
て「海ごみ対策地域リーダー養成講座」を企画運営しました。

コロナ禍の8月30日、長野市のリサイクルプラザで参加人数を30人に制限して開
催。講師の3R全国ネット運営委員長の中井八千代さんはオンラインで東京からの
参加でした。

高校生、企業、行政、NPO、団体、個人など多様な顔ぶれの受講生は、午前中犀
川河川敷でごみ拾い。拾ったごみの総計487点で軽トラック約1台。内訳はレジ袋、
ペットボトル、農業用資材など、その多くは使い捨ての容器包装プラスチックでした。

午後は中井さんによる講義。参加者は世界の中の日本の現状を学ぶとともに、ご
み拾いの体験から海なし県であっても海ごみの発生県であることを改めて知り、生
活を見直し、何かしなければという気持ちを深めたようです。

1ヶ月後、講座参加者にアンケートを実施しました。その結果、「家族、知人に話し
た」「ごみ拾いをした」など海ごみに関連した活動をした人は約8割。さらに「ペット
ボトルや使い捨てプラスチックを減らす取り組み」「システムつくり」などリーダーと
して活動してみたいという積極的な回答が多く、講座の成果といえます。

参加企業からは、講座で学んだことを「SDGsに結びつけた取り組みに生かした
い」、公民館からは「SDGsに関する講座開催したい」、小学校の先生からも「ごみ
拾い活動の開始、海ごみ学習予定」という報告が届いています。特に高校生は敏
感に反応し、ごみ拾いと気候変動を結びつけた活動が始まっています。

この講座で蒔いた種が、あちこちに芽を出し成長を始めています。
みどりの市民も次のステップへ歩みを進めたいと思います。 

------------------- 事務局からのお知らせ------------------------
● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : コロナウィルス感染症が落ち着くまで、テレワークになります。
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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