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「メールニュース」 バックナンバー

第217号(2020年8月18日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 217号   2020 年 8 月 18 日

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北海道のこだわり・・・「マイバッグ」と「エコバッグ」・ 
「レジ袋無料配布中止」と「レジ袋の有料化」

 コロナ禍ではありますが、レジ袋の有料化スタート、更にプラスチック
製品の一括資源回収など、容器包装の3Rが一気に進むことができたと
喜んでいます。ただ、これを機に大々的なキャンペーン活動ができなか
ったのは残念で、今はメールでの情報共有やSNSでの情報発信しかでき
ていません。

 さて、レジ袋の有料化について、全国版のニュースやワイドショーで特
集され「ゴミ出しが不便になる」、「不衛生だ」等の意見が取り上げられ大
変驚きました。北海道は洞爺湖サミットの2008年から実施しているので、
今回は自然に受け入れられたようです。

 ところで、北海道が12年前に実施できた要因の1つに、「言葉(フレーズ)」
のこだわりがあります。特に『有料化』は一切使わず、『レジ袋の無料配布
中止』に統一し、同時に「マイバッグを持ってお買いもの!」とお客様が不
快にならないように気をつけました。あくまでも「マイバッグ」と呼び、エコ
バッグではないのです。マイバッグキャンペーン、マイバッグ持参率、マイ
バッグデザインコンテスト等など…自分の鞄(マイバッグ)を使うと、レジ袋
の製造・運搬のエネルギーや資源が節約でき、ごみ減量になる事を市民
とマスコミに伝え続けました。同じ意味ですが、言葉(フレーズ)によって印
象が違います。

 今、北海道はエコバッグという呼称に違和感を持っています。このままで
は「エコバッグ」に流されそうなので、この呼称について整理しているところ
です。結果が出ましたら、また、ご報告致します。

(政策委員 石塚祐江) 

----- 目 次 --- C o n t e n t s -------------------------------------
巻頭言
<1> プラスチックの一括回収とプラスチック選別の合理化が実現!  
<2> 【レポート】レジ袋有料化の問題点と実施状況
<3> 新潟県「てtoて倶楽部」永澤由紀子 さんからの活動報告
< コロナ禍でのJ2アルビレックス新潟H Gのリユースカップ利用について>
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■<1> プラスチックの一括回収とプラスチック選別の合理化が実現!
■   (政府案2020年度以降)

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 政府は、用途を終えたプラスチック製品を、自治体が資源として一括回収し、
リサイクル事業者がプラスチックの種類ごとに効率的にリサイクルする制度を
つくる方針を明らかにしました。早ければ年内にも具体的な制度を固めると
のことです。

 容器包装リサイクル法の見直しにおいて、3R全国ネットは、回収する自治
体とリサイクルする事業者が二重に選別している非効率に着目し、容器包装
に関わりなく、一括して集めたプラスチックをリサイクル事業者がプラスチック
の材質ごとにセンサーで分別するリサイクルの高度化・合理化を提案しました
が、これがようやく実現に一歩近づいたといえます。

 2014年に「市民案実証検討会議」を立ち上げ、当会メンバー以外に、学識者、
自治体職員、リサイクル事業者とともに、 川越市や川口市などのHPに公開さ
れていた廃棄物会計数値を当てはめて試算した結果、20%〜40%もの自治体
の選別・圧縮保管費用が削減できることが分かり、作業を合理化することで費
用の軽減が図れるという提案にまとめ、自治体、環境団体、学識者、事業者、
省庁等とも意見交換を重ねて、最終案を環境省・経産省合同会合で提案し、
環境省による実証事業に繋げることができたものです。

 プラスチック一括資源化の実現のためには、効率化によるリサイクル費用の
軽減をはかることと、広くプラスチックを利用する事業者が、拡大生産者責任を
果たすことが鍵となります。

 廃棄物処理法や容器包装リサイクル法の改正とともに、あらたにすべてのプ
ラスチック資源の活用をEPRによって実現し、使い捨てプラスチックの生産や
使用の抑制にも繋げる制度にしていく必要があります。

 私たちの提言が、今後の制度設計にも生かされることを期待しています。

(運営委員長 中井八千代)

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■<2> 【レポート】レジ袋有料化の問題点と実施状況

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 レジ袋に対する使用禁止、課税、有料化といった規制は世界の潮流となって
いますが、日本はこれまで、世界の大勢に背を向け、レジ袋の無料配布を放置
してきました。しかし、こうした日本の現状がオリンピック・パラリンピックに集ま
る世界中の人びとの目に触れれば、日本のイメージダウンになることから、国
は、2019年12月に、容リ法の省令改正によりレジ袋有料化を義務化し、7月1日
から実施しています。

■抜け穴のあるレジ袋有料化義務化

 ところが、省令に基づく有料化の対象は従来の100%石油由来のプラスチック
製レジ袋に限定され、その一方で、「環境性能が認められる」という下記の3種類
のプラスチック製レジ袋の使用拡大を図るため、3種類の袋については有料化
の対象外とされています。
@ バイオマスプラスチックの配合率が25%以上のもの
A 繰り返し使用できる厚さ50μm(0.05mm)以上のもの
B 海洋生分解性プラスチックのもの 
3種類の袋は、有料化の抜け穴となっており、無料で配布されれば、使い捨てを
助長し、散乱ごみや海ごみを増やすことが 懸念されています。

 また、使用後のバイオマスプラスチックを焼却処分すれば、理論上はともかく
現実には地球温暖化ガスを増やします。一方、海に入った海洋生分解性プラス
チックは、短期間に分解するわけではないので、海ごみになる上に、分解すれ
ば製品に含まれる化学物質によって海を汚染します。

  国連環境計画(UNEP)も、2020年6月に発表した報告書で、これらのプラス
チックの環境負荷の軽減効果について否定的な見方をしています。3種類の袋
を有料化の対象外とすることは早急に見直すべきです。

■レジ袋有料化の実施状況

 この有料化には抜け穴があることから、ごみ・環境ビジョン21では、レジ袋の
有料化が7月にどの程度実施されているかを検証するため、年商1,000億円以
上の小売業者全147社についてインターネットと聞き取りにより実施状況を調
査しました。その結果の概要を以下に紹介します。

 従来のレジ袋を採用し、有料化している企業が55社であるのに対し、有料化
対象外のバイオマス配合のレジ袋を採用している企業は81社あり、そのうち有
料化している企業が52社にのぼっていて、懸念された無料配布は29社(うち16
社は飲食店)にとどまっています。しかし、国にとっては、有料化されたことによ
りバイオマスプラスチック素材の使用が限定され、不本意な展開となっています。

 バイオマス配合の袋の採用は、環境に配慮しているという姿勢を示すためで
あり、無料にしていないのは、配布数やコストを抑えるためと思われます。企業
にとっては、これらの袋をむしろ法律によって有料化の対象としてもらった方が、
有料化しやすいので、望ましいのではないかと推察されます。

 副次的効果として、紙袋も有料化が大勢となっています。また、プラスチック
製の袋を廃止した企業が8社あり、今後の拡大を期待したいと思います。 
詳細はこちらをご覧ください。→https://gomikan21.com/

(運営委員 小野寺 勲)

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■ <3> 新潟県「てtoて倶楽部」永澤由紀子 さんからの活動報告
■      <3R政策地域研究会in新潟>

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< コロナ禍でのJ2アルビレックス新潟H Gのリユースカップ利用について>

 売店が販売するソフトドリンク用450mlとゲート用600mlのリユースカップが
搬入された8月8日(土)、大宮アルデイ―ジャを迎えたデンカビッグスワン
スタジアムに、カップの洗浄業者である新潟ガラスリサイクルセンター
(「てtoて倶楽部」はリユースカップのブランド)のパスでカップの利用状況を
覗いてきました。

 導入から15年目シーズンを迎えたJ2アルビレックス新潟のリユースカップ
ですが、7月4日のツエーゲン金沢を迎えたホームゲームで、ようやく今季
の使用が始まりました。アルコール飲料の販売は、Jリーグの取り決めによ
り8月31日からですが、サポーターが持参した缶入りアルコール飲料は、入
場ゲートに準備された600mlカップに移し替えて席につくことになっており、
泡も透けて見えるビールが注がれたカップを運ぶサポーターをコンコースで
見かけた時、新型コロナ禍の中で、エコロジーパートナーであるHARD・OFF
とサポーターがリユースカップを信頼し、利用を継続していただいたことに、
改めて感謝しました。

 「未来コトハジメ」で、『植物由来の「セルロースファイバー」を混合した植物
由来の”環境に優しい”樹脂をパナソニックが開発し、そこに着目したアサヒ
ビールと共同でリユースカップを開発して、イベント等で試験導入』と紹介さ
れるなど、リユースカップに世界的な企業が着目しています。

 市民活動から始まったリユースカップが、今後どのように社会に浸透し利
用されていくのか、注目していきましょう。
https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/design/2/t_vol45/?P=1

出典:日経BP未来コトハジメ 2019.11.12

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● 会議開催日程
◎ 運営委員会 : コロナウィルス感染症が落ち着くまで、テレワークになります。
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
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