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「メールニュース」 バックナンバー

第206号(2019年8月22日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 206号   2019 年 8 月 22 日

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 ハゼの木をご存知ですか?

 私が所属する福岡県有機農業研究会では、昨年の11月「ハゼを知る」
取り組みを実施しました。

 私自身は、ふるさとの一つ長崎県島原産のハゼの蜂蜜を愛用してい
ます。雲仙普賢岳が噴火を繰り返してきた台地では、江戸時代からハ
ゼ栽培で財政危機を克服した歴史が伝えられています。

 ハゼはウルシ科で「かぶれ」成分があることから遠ざける傾向にあり
ますが、九州には多く分布する身近な存在です。例えば、福岡県久留
米市の紅葉したハゼ並木は秋の風物詩となっています。また、隣接す
る吉井町にはハゼで財を成した白壁土蔵の街並みが残されています。

 ハゼの実からとる「櫨蝋」は、江戸時代から換金作物として藩の財政を
豊かにしてきた時代があり、いまでも櫨蝋のローソク、化粧品、鬢付け
油、石鹸、文房具、医療品、染色、ワックスなどが生産されてはいます。

 しかし今日、一般的には、安価な石油から取り出した物質に置き換え
られる大量生産・大量消費の時代を迎えています。

 こんな時代に、あえてハゼの木を植え、家族経営の収入アップに挑
戦する若者がいます。農家の後継になって16年目のKさん(福岡県)は、
地域に放置されたハゼの木が“可哀想”と思い13年前から収穫を始め、
福岡県みやま市にある「荒木製蝋」に納めています。江戸時代から操
業する全国でも数少ないメーカーの一つですが、近年は同業者が減り、
また、「ハゼの実ちぎり」の担い手不足から材料が不足し、存亡の危機
に立たされていると言います。

 そんな事情を知ったKさんは、高齢の親のことや猛暑の農作業の厳し
さなどを考慮し、真夏の農作業の改革を始めました。ハゼの実ちぎりは
12月から2月の冬仕事。水はけの悪い田んぼを活用し、栽培が比較的
容易なハゼを、この春に定植しました。肥料や農薬を必要としないハゼ
に着目したKさんの挑戦、有機農業の新たな分野を開拓するのではな
いかと期待しています。“櫨蝋の和ろうそく”に明かりを灯す日を楽しみ
に待ちたいと思います。

 6月のG20大阪で議論された「海洋プラスティック」対策は、ごみ問題の
「出口」論だけに留まり期待はずれの結果でした。しかしながら、中東関
係が危うい昨今、石油製品の大量生産が未来永劫続く保証はありません。

 世界の共通目標SDGsの『つくる責任 つかう責任』のゴールに向け、
資源の見直しから国産のハゼの出番もあるのではないかと、密かに期
待を寄せているところです。そのためには、国内にある天然素材に着
目し、研究の分野が広がることを願っています。

(政策委員 片山純子)

------ 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------
巻頭言
<1> 追悼:須田春海さん
<2> 各地で「海ごみ対策地域リーダー養成講座」開催中!
<3>【レポート】 関西圏で広域一斉にプラごみゼロに取り組む
<4> 新潟県・豊田春美さんからの活動報告
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■ <1> 追悼:須田春海さん

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 令和元年7月11日、市民運動全国センター代表世話人であり、当会運営委員
長の須田春海さん(77歳)が腎不全で永眠されました。
 
 須田さんは、多方面にわたって市民運動をけん引してこられた方でしたが、
この会との関わりは、2003年の会設立に先立つ廃棄物会計調査に始まります。
自治体の財政を圧迫しているという容器包装廃棄物の回収、保管、中間処理
のコストについての調査を呼び掛け、160の自治体の回答から、容器包装廃
棄物のリサイクルコストの大半を自治体が担っていることを明らかにしました。
廃棄物会計という名付けも、須田さんの功績の一つとなりました。

 この結果をもとに、全国200団体と個人約200人で容器包装リサイクル法の改
正を求める全国ネットワークを設立。須田さんは運営委員長として、常に市民
運動のあり方や手法を鋭く示唆され、2003年には拡大生産者責任の徹底を求
めて全国からの100万筆の署名とともに国会請願を行いました。

 須田さんは常々、「国会議員は非常に忙しい。市民団体は、うるさいハエの
ように何度も足を運び要望を伝えなくちゃダメだよ。」と語り、先頭に立ってた
びたび超党派の議員懇談も実施してきました。

 しかし請願は採択されず、不十分な法改正に終わったことから、「今回の改
正案は1.5Rに過ぎません」とのちらしを作り、国会議員や全国の環境団体に
配布。法改正の必要性と次の改正こそはの決意も新たに、2006年、容器包装
の3Rを進める全国ネットワークと改名し現在に続いています。2008年にはプ
ラスチック懇談会を立上げ、今日のプラスチック環境汚染問題に至る取組の
端緒を開かれました。お元気なころの最後の活動の一つとなりました。

 須田さんはこの10年間、ALSで闘病されてきましたが、毎朝全国センターM
Lに強い意志を伝えるメールが届き、自分も頑張っているから、皆もがんばれ
と背中を押し続けてこられました。

 容リ法改正を見ないままご逝去されたことは大変残念ですが、これからも須
田さんの意志を受け継ぎ、今できることに全力で取り組んでいこうと皆で話し
合っています。

<須田春海さんの意志を受け継ぐ会>
日時:令和元年10月9日(水)13時〜17時
問い合わせ先:市民運動全国センター  sudasan2019@gmail.com
詳しくは、次号にてお知らせします。

※尚、須田運営委員長の後任としては、不詳私中井が引き継ぐことに決まり
ましたので、引き続き皆様のご協力を、どうぞ宜しくお願いいたします。

(運営委員長 中井八千代)

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■ <2> 各地で「海ごみ対策地域リーダー養成講座」開催中!
■      <申し込み受付中です>

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 「海ごみ対策地域リーダー養成講座」は各地の自治体や地域団体からの学習
会要請を受けて実施し、減プラ社会構築の呼びかけと共に、川や海に入ってし
まう前に地域で拾うこと等への「実行」を、リーダーとして共に促していく人々を
養成することを目的としています。

1人が身近な10人の方に伝えれば、10人が100人に、100人が1000人になって
広がり、喫緊の課題である海ごみ対策を、足元から着実に推進していくことがで
きるはずです。

 講座では3R全国ネットが作成した「容器包装をみなおそう!海洋プラスチッ
クごみ削減に向けて」の環境教育用冊子を活用し、なぜプラスチックゴミが増え
るのか、社会的・制度的問題点をわかりやすく説明しながら、消費者へのメッセ
ージも伝え、実践教育のテキストとなっています。

 このパンフレットでは使い捨てプラスチックは買わない・もらわない、マイボト
ル・マイバッグを持参する、ばら売り・簡易包装のものを選ぶなど、日常の心が
けなども提起しています。街や川、海のごみ拾いを友人たちを誘って積極的
に実施することや、何よりも、川や海にごみが流出しない仕組みをつくるよう
国に働きかけることも提案しています。

 地球は、将来世代から借りた、かけがえのない存在です。まずは手の届く、
身近なところから ”わたしたちにできること”を始めましょう。そしてみんなの
力で、より良い制度をつくりあげましょう。

<これまで実施した海ごみ対策地域リーダー養成講座>
NPOパパラギ海と自然の教室/藤沢市 ・葉山町
東京都文京区 ・ 埼玉エコ・リサ連絡会
北海道容器包装簡素化連絡会 ・ 西埼玉温暖化対策ネットワーク
環境・まちづくりNPO元気力発電所 ・ 東京都昭島市@
環境り・ふれんず&札幌友の会 ・ 大阪府吹田市
東京都昭島市A ・ CSまちデザイン学習会

(運営委員長 中井 八千代) 

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■ <3> 【レポート】関西圏で広域一斉にプラごみゼロに取り組む>

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関西の12府県市(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取
県、徳島県、京都市、大阪市、堺市、神戸市)で構成する関西広域連合では、
プラスチックごみ発生抑制に取り組む強い決意を発信するべく、今年の5月23
日に 「関西プラスチックごみゼロ宣言」を行いました。

ごみを出さないライフスタイルへの転換を目指すプラスチックごみゼロに向け
た取組を行う宣言の中には、発生抑制も含まれています。

同連合は、大阪湾に流入するプラスチックごみの現状把握に向け、淀川に流
入する木津川、宇治川、桂川それぞれの河川敷に分布するごみについて、三
河川合流地付近で毎月定点調査を行うなどの実態調査にも取組んでいます。
そして、大阪湾で底引き網漁の網の桁に引っ掛かったレジ袋や、ポリ袋片の個
数から大阪湾には推定300万枚のレジ袋が海底に沈んでいるということも発表
しています。

さらに構成自治体と全国清涼飲料連合会、PETボトルリサイクル推進協議会、
日本チェーンストア協会関西支部、日本フランチャイズチェーン協会などの団
体が構成団体となって「琵琶湖・淀川流域海ごみ抑制プラットフォーム」が立ち
上がり、プラスチックごみの効果的な発生抑制につなげるため、関係各主体の
活動の促進に資する情報共有、意見交換を行うとのこと。

また今夏には「私のプラごみ削減提案」を募集することで、構成する多くの自
治体で広報されるなど、関西全体で住民の関心を高める取り組みがすすめら
れています。

(運営委員 伊藤浩子)

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■ <4> 環境カウンセラー豊田春美さんからの活動報告
■        <3R政策地域研究会in新潟>

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冊子「容器包装をみなおそう!」〜海洋プラごみ削減にむけて〜の活用

7月25日小千谷市社会福祉協議会主催「地域いきいきサロン」環境出前講座
日本一長い信濃川、広々とした田園に魚沼の連山、水質良い鮎釣り出来る川。
この様な生活環境の中で海洋プラごみの実態は遠い世界の話。
だが、海ごみは川を遡れば私たちの生活からのごみです。

振り返れば、戦後の高度成長と共に大量生産大量消費を過ごした年代には
身近な問題となり、地球温暖化現象防止と合わせて現状を知り、自分たちで
何ができるか考えるきっかけに冊子の写真は大きな刺激と啓発になった。

多くの農業従事者は自然の科学者です、田んぼは気温を1〜2度下げること
や出穂前の苗の節の中に米粒の赤ちゃんが胎児のように根から栄養もらっ
て出穂を待っていることを『みんな知ってるわ』「子や孫に話したことある?」
『・・・』 大人は伝えることが使命なんです将来世代へ継承できる地球であり
たいですから。

8月9日この日は南魚沼市おおまき児童クラブ、夏休み中は朝から夕方まで
過ごすため弁当持参、もちろんマイボトル(水筒)持参で。1〜3学年がほと
んどの40名弱に手描きの図、絵本、紙芝居を取り入れ、宇宙〜地球〜日本
〜新潟県〜南魚沼市〜自分の環境をお話し。

冊子の表紙を見て『何それ本物?』ウミガメの写真には無言現状を知る、絵
本にあった“何かしなければはじまらない” に気付いたようでした。

(副運営委員長 中井八千代)

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事務局からのお知らせ
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● 会議開催日程
◎ 運営委員会
◇ 2019 年 9月10日(火) 13:00 〜 16:00
場所:市民運動全国センターです。

※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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