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「メールニュース」 バックナンバー

第194号(2018年8月21日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 195号   2018 年 8 月 21 日

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海のプラスチック汚染対策として、ペットボトルに注目する企業や国が増え
ています。 例えば、海洋プラスチックごみで靴やユニフォームを製作するア
ディダスは、 ドイツ本社を手始めに、日本を含む世界75カ所のオフィスでペ
ットボトルの使用を禁止しました。 また、2022年までに使い捨てプラスチック
を廃止すると宣言したインドでは、 マハラシュトラ州(州都ムンバイ)が6月か
ら500mL未満のペットボトルを禁止しました。 禁止されないサイズのペットボ
トルは、使用後、買い戻しシステムにより回収されます。 既にコカ・コーラや
ペプシコもペットボトルに買い取り金額を印字したそうです。

レジ袋を禁止したケニアでは、次の禁止対象と目されるペットボトルの禁止
緩和に向け、 メーカーは自主回収方法を検討しています。 欧州では、現在
チェコやルーマニアがペットボトルを視野にデポジット制度導入を検討中で
すが、 既に導入を決定しているイギリスでは、国の開始に先だって、ペット
ボトルをデポジット制で回収する 大手スーパーが登場しました。店頭に設置
した自動回収機にペットボトルを入れると、バーコード 読み取って店で使え
るクーポンか、あるいは1本につき10p(約16円)を慈善団体に寄付できます。

一方、使い捨てプラスチック削減に意欲的に取り組むフランス・パリ市では、
消費量の多い炭酸水の ペットボトル販売量を減らそうと、市内に炭酸水の
出る無料の給水器を設置し、市民に喜ばれています。 普通の水の出る給
水器はこれまでもありましたが、炭酸水というのは初めてで、今後も増設す
る計画です。 日本は遅れていますが、レジ袋は政府による使用禁止や有
料化が世界標準となりました。 ペットボトルも近い将来、国や自治体など
による販売量を減らすためのさまざまな施策と、 デポジット制などによるメ
ーカーの自主回収が、世界標準となるでしょう。

(政策委員 栗岡理子)

------ 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------
巻頭言
<1> 第1回プラスチック資源循環戦略小委員会傍聴記
<2>【レポート】東京23区とことん討論会
<3> 栃木の益子友幸さんからの活動報告ー3R政策地域研究会in栃木
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■ <1> 第1回プラスチック資源循環戦略小委員会傍聴記

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8月17日、第1回プラスチック資源循環戦略小委員会が開催されました。 委員
名簿や資料等は、こちらよりご覧ください↓ http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-01b.html

<委員からの主な意見>
・長期的、野心的なビジョンを。課題やイノベーションを明確に。代替品は将来
の予測もせよ。3Rの徹底でごみゼロへ。市場投入のリデュースを。製品毎の
丁寧なロードマップと施策を。幅広の 施策のオプションと代替品のイノベーシ
ョンの市場を作り、アジアにも。
・事業系ごみは事業者任せではなく、分別と再商品化の義務付けを。
・日本特有である事業系一廃にメスを。
・業界別にごみの増減をデータ化。
・バックキャストで進めよ。
・海外のプラスチック削減のモニタリングも。
・容リ法対象外の製品プラスチックの活用を。
・レジ袋の協定は頭打ち、最低限有料化を。数値目標が必要。
国の大きな方針を作れ。
・製品プラの一括回収と、二重選別の1本化を早急に実施を。

一方では、プラスチックの特性を踏まえて、エネルギーリカバリーも適切に
入れよ。経済界は自主的に 取り組みをしていく。等、両者から多様な意見
が出されました(詳しくは、今後公表される議事録を参照)。

次回は9月に関係者ヒアリングとのことですが、来年6月のG20に向けて、
世界に誇れる実効ある戦略がどうまとまるか。 期待と共に、私たちにでき
ることを着実に進めて行きます。

(副運営委員長 中井八千代) 

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■ <2>【レポート】7・24東京23区とことん討論会
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7月24日(火)中央区月島で開催された第23回東京23区とことん討論会につ
いて簡単に紹介します。 基調講演では、大阪商業大学公共学部准教授の
原田禎夫氏は、陸から海に流入するプラスチックごみの 発生を抑制するた
めには、資源を再利用し続け、利益も生み出す仕組みであるサーキュラー・
エコノミー (循環経済)を目指すべきであると力説されました。

また、私が参加した第二分科会では、4人の講師の発表とディスカッション
がありました。 環境省リサイクル推進室室長補佐 金子浩明氏は、EUや
主要国がプラスチックごみによる海洋汚染を 食い止めるため、中国の資
源ごみの輸入禁止を契機として、プラスチックのリサイクル促進や 使い捨
てプラスチックの削減などを目指している状況を詳しく紹介されました。

日本コカ・コーラ(株)労働安全衛生・環境サステナビリティガバナンス部長
柴田充氏は、 米国のコカ・コーラ社が打ち出した「2030年までに主要な容
器の100%と同等量の使用済み容器を回収する」 という目標を受け、「日本
として世界トップレベルの回収率をさらに高めるには、どのような施策が有
効か検証したうえで、実行していく必要がある」と話されました。

全国川ごみネットワーク事務局 伊藤浩子氏は、海ごみを減らすには、街
中や川のごみを 減らさなければならないが、それらを拾うだけではなく、プ
ラスチックごみの発生抑制や 回収・リサイクルの促進といった根本的な対
策が不可欠としています。

イオン(株)グループ環境・社会貢献部長 金丸治子氏は、資源循環促進
のための 容器資材・包装資材の削減、レジ袋無料配布中止、買物袋持参
運動、店頭資源回収の 取り組みを紹介されました。

(運営委員 小野寺 勲)

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■ <3> 栃木の益子友幸さんからの活動報告
■       3R政策地域研究会in栃木

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3R政策地域研究会in栃木では、「小山の環境を考える市民の会」「環境問題
を考える会」の2団体で力を合わせて活動を続けています。最近の主な活動
を紹介します。

1. 昨年12月、小山市および小山広域保健衛生組合と情報交換を行い、新規
ごみ処理施設のうち 焼却施設の設置計画が3年延長されることを確認。理
由は一般廃棄物(可燃ごみ)が 計画通り減少してないため。

2. 今年2月、しもつけ環境市民会議主催の「環境フェア」に団体参加し、ごみ
分別クイズを実施。 容器包装以外のプラごみや紙製容器包装の一部を可燃
ごみとして分別する現状には、 市民からも疑問の声が聞かれた。

3. サントリーおよびアサヒビールがペットボトル入りノンアルコールビールを発
売することに対し、 プラごみ発生抑制の視点から質問書を発信。結果として発
売は限定的であること、 通常のビールに展開する予定はないことを確認した。

4. 今年7月、総会記念講演として栗岡理子氏による「増加する使い捨てプラご
みをどうする?」を開催。 県内で初めてマイクロプラスチック問題を取り上げた
ことで、プラごみの現状と対応について 地域市民に広く啓発することができた。

5. 以上の他に、3R全国ネット主催の学習会(今年1月)への参加、3R全国ネ
ットニュースや新聞記事 ・ネット情報による勉強会(プラごみ等)を適宜実施。

(補足)栗岡氏の講演では、海外の水道水やボトル飲料水にもマイクロプラス
チックが混入していることを 知りました。日本では調査されておらず、混入の
原因も特定されてないようですが、川や海だけでなく 飲み水もマイクロプラス
チック汚染が危惧されるなら、使い捨てプラごみの削減はもちろん、 プラスチ
ックに依存する現代の生活も見直す必要がありそうです。

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事務局からのお知らせ
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● 会議開催日程

◎ 運営委員会
◇ 2018 年 8 月22日(水) 14:30 〜 17:00
場所:市民運動全国センターです。

※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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