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「メールニュース」 バックナンバー

第194号(2018年7月20日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 194号   2018 年 7 月 20 日

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西日本豪雨で被災された皆様
ご心労いかばかりかとご推察し、 心よりお見舞いを申し上げます。
 
(副運営委員長 中井八千代)         
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第193号「メールニュース」の巻頭言を読んで、脱プラスティックに対する
世界の素早い行動に感嘆する一方で、日本国内の現状堅持に対し
世界との違いを痛感しています。

「容器包装リサイクル法」が制定されて約20年。今期、
ノンアルコール飲料ボトルをプラスティックに移行するという
サントリーの、経営理念を示す「容器包装の3R CSR」を読んでみました。

 「3R」については、「リデュース」=使う量を減らす・
「リユース」=繰り返し使う・「リサイクル」=資源として使うと、
一般的な解釈を示していますが、ペットボトル容器に関する詳細を読み進むと、
「2R+B」戦略として、開発時における樹脂使用量の削減・再生素材の使用
・再生可能原料の代替えの三つの柱にまとめてあります。

樹脂使用の削減については、「Reduce:軽量化」として、従来のボトルに対し
石油由来原料の使用量を550?ペットボトル1本あたり約4割削減とし、
2?ペットボトルは従来品より2割軽減化という成果が記されていますが、
腑に落ちない点があります。

それは1本の軽量化を謳いながら生産本数が増加することに対する疑問です。
全国清涼飲料連合会の資料によると、2015年?2017年までの清涼飲料水の
生産量は、3年連続で過去最高であったと記されています。
容器包装別シェアを見ても、ペットボトルが全体の72.6%(2017年度)
でびん容器の1.3%とは比較にならない数値です。

「3R」の本来の目的は、「リデュース」「リユース」「リサイクル」の方向に
社会が軌道修正するための法律であったことを再認識してほしいと願っています。

(政策委員 片山純子)

------ 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------

巻頭言
<1> プラスチック資源循環戦略小委員会設置!
<2> 国交省の紙おむつ・下水道への放流検討について
<3> 海岸漂着物処理推進法の改正で3R推進等による発生抑制が追加
<4> ノンアルビールのペットボトル容器について、メーカーの回答書を受領しました
<5> 新潟の豊田春美さんからの活動報告ー3R政策地域研究会in新潟

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■ <1> プラスチック資源循環戦略小委員会を設置!

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7月18日、中環審循環型社会部会にが開催され、プラスチック資源循環戦略小
委員会を 設置することが決まりました。(傍聴)
「小委員会は、プラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略のあり
方に関する事項について検討を行う。」とされており、委員、臨時委員及び専門
委員は、 部会長か指名するとなっています。

詳しくはコチラから↓
http://www.env.go.jp/council/03recycle/yoshi03.html

部会では、

・G7で日本が署名しなかったのは何が問題だったのか?との質問
に対して、G7海洋プラスチック憲章の中の数値目標が、産業や国民生活に与
える影響調査がまだなので、今後検証していくとの回答があり、他の委員から
は、

・日本近海はホットスポットになっている。
途上国への支援なども含め、G7をバネにして各国連携して進めると良い。

・川ごみにも着目し、ライフスタイルの見直しに繋がる施策も必要。・途上国
の現状把握を。

・経済界も協力する。アジア全体に実効性のある施策が必要。・新しいもの
を取り入れる。イノベーション、SDGsが重要。

・容リ法の見直しも含めるのか?との質問には、

大所高所からプラ?チック全体の方向性を話し合うので、容リ法の細かい話
はしないとの回答がありました。タイムスパンについての質問もあり、来年3
月までに答申を出す予定だが、今年中にまとめる方向で進めたいとの回答
がありました。
世界に恥じない、理念に基づく実効性のある戦略が示されるよう、期待しな
がら今後も進捗状況を随時報告していきます。

(副運営委員長 中井八千代)

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■ <2>  国交省の紙おむつの下水道への放流検討について 
■     ー衆議院環境委員会での質問と答弁ー

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6月8日、衆議院環境委員会で「美しく豊かな自然を保護するための海岸に
おける良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に
関する法律の一部を改正する法律案起草の件」について審議が行われました。

その中で委員より、マイクロプラスチック問題 として紙おむつの下水道受け
入れについての質問が出され、環境省から、「マイクロプラスチックについて
は、さまざまな発生源が考えられるので、データの蓄積が必要であり、その
データを踏まえて各省庁と意見交換しながら対応していく」との短い答弁が
ありました。

尚、当会からの質問状に対しては、未だ回答は届いていません。

質疑の詳細はコチラより↓(中程にあります。)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001719620180608010.htm
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■ <3> 海岸漂着物処理推進法の改正で3R推進等による発生抑制が追加!

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「美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び
環境の保全に関わる海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律」
(通称:海岸漂着物処理推進法)に、マイクロプラスチック対策が
加わるなどの改正がなされました。

この法律は、NGOのロビー活動等により、平成21年に議員立法で制定
されたものでした。離島などの海岸漂着ごみの回収が進んだところも多く、
成果があったようです。しかし発生抑制としてのごみ対策はほとんど
進んでいませんでした。

今回の改正にあたっては、平成28年12月から公明党、自民党のそれぞれで
国会議員による委員会等で改正の検討がすすみ、
学識者、自治体、民間団体などを招いての勉強会を行っていました。
(昨年4月には、両党それぞれより全国川ごみネットワークとして自分も招かれ、
容器包装類が大量に散乱する国内の川ごみの現状をお伝えしました)

そして本年6月12日に衆議院本会議、6月15日に参議院本会議にて
全会一致で可決・成立しました。

3Rにも関連する改正の主な内容は、
〇マイクロプラスチック対策を規定
・海岸漂着物であるプラスチック類の円滑な処理及び廃プラスチック類の
排出の抑制、再利用等による廃プラスチック類の減量その他その適正な
処理が図られるよう十分配慮 
・事業者は、(中略)製品へのマイクロプラスチックの使用の抑制に努める
とともに、廃プラスチック類の排出が抑制されるよう努める

〇3R推進等による発生抑制を規定
・海岸漂着物対策は、循環型社会形成推進基本法等による施策と相まって、
海岸漂着物等の発生の効果的な抑制が図られるよう十分配慮

〇海岸漂着物対策推進会議に、新たに経済産業省が加わる

などです。
まだ十分な改正には至りませんでしたが、マイクロプラスチック対策が
法律に明記され、今後の対策の根拠となるべく一歩前進しています。

(運営委員 伊藤浩子)

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■ <4> サントリーとアサヒから「ノンアルコールビールPET化」について
■    の回答書が届きました

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6月19日から、サントリーが「ペットボトル入りのノンアルコールビールをコンビ
ニ限定で販売する」との報道に対して、別紙の「ノンアルコールビール入りペ
ットボトル容器についての質問書」をサントリーホールディングス株式会社に
お送りしたところ、以下の回答書を受領いたしました。
「質問書1-1」→http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/suntoryQ.pdf
「回答書1-2」→http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/suntoryA.pdf

また、7月3日にアサヒビールが「ペットボトル入りのノンアルコールビール“ド
ライゼロスパーク”を発売する」との報道に対して、別紙の「ノンアルコールビ
ール入りペットボトル容器についての質問書」をアサヒグループホールディン
グ ス株式会社にお送りしたところ、以下の回答書を受領いたしました。
「質問書2-1」→http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/asahiQ.pdf
「回答書2-2」→http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/asahiA.pdf

どちらの回答も、散乱ごみ問題については課題であることが認識されており、
食品容器環境美化協会などでの活動がコメントされています。
しかしながら、「容リ法の限界」
(自治体が集めた分だけ、事業者に再商品化の義務が発生すること)を超え
ておらず、マイクロプラスチックへの問題意識が弱いと感じられます。

今後、政府が検討する「プラスチック資源循環戦略」の検討の中で、
ぜひとも「容リ法の限界」を突破し、先進的な取り組みを実行してほしいと
思います。

(事務局 山本義美) 

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■ <5> 新潟の豊田春美さん(新潟県環境出前講師)からの活動報告
■ 3R政策地域研究会in新潟

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◎新ごみ処理施設建設計画にかかわって

 平成の町村大合併で広域になった魚沼市、南魚沼市、そして湯沢町の
二市一町による広域ごみ処理場建設が交付金により計画。

市は住民参加の委員会から情報開示、先進地の施設視察も取り入れ、
現在住民説明が丁寧に各地で開催中。当然のように自然環境に恵まれ
た当地で住民は建設候補地設定に揺れ動いています。

環境に携わる一員として啓発活動の責任を感じ、数か所で意見集約を
してみました。

“汚い、臭い、景観損なう、近隣農作物の安全性、搬入による交通量増”
が大方の不安でした。
「百聞は一見に如かず、視察やごみ研修しましょう。半世紀前のヘドロ
臭い墨田川が今では魚が棲み土手は憩いの場です。緑多い武蔵野市
クリーンセンターは市役所、体育館、プール、学校など住民生活に密着
し自然に溶け込んでいる施設。

当地は自然と共存の雪国、地域生かした施設に住民が創り上げよう」
と啓発を考えています。

◎小学校の出前講座から

地球環境の危機を感じる海ごみ、マイクロプラスチックが深刻問題にな
っています。

いのちある生き物を食し人は生かされる事を実感します、
米どころ新潟の“学校田んぼ”現場で考えました。「みんながお母さんの
お腹で十月十日栄養もらって育つように米粒の赤ちゃんたちは“ふし”の
ところで土と光から栄養もらって出穂するの見たかな?」と話すと目が輝
きます。

生きるものの愛おしさをもつ将来世代に期待したい近頃です。

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事務局からのお知らせ

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● 会議開催日程

◎ 運営委員会
◇ 2018 年 8 月22日(水) 14:30 〜 17:00
場所:市民運動全国センターです。

※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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