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「メールニュース」 バックナンバー

第189号(2018年2月22日発行)

  

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   容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース

        第 189号   2018 年 2 月 22 日

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年明け早々に、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
欧州連合(EU)欧州委員会が1月16日に、2030年までに、
プラスチック製容器包装の使い捨てゼロを目指すという計画を発表した
のです。域内で使用される全プラスチック製容器包装を、2030年までに
段階的に、リサイクルまたはリサイクル可能とし、使い捨てをやめるとい
うものです。また、化粧品などにマイクロビーズを使用することも規制し
ます。プラスチックごみによる海洋汚染を食い止めることが目的ですが、
中国が海外からのリサイクル用廃棄物の輸入を禁止する決定をしたこ
とが引き金になっています。

EUは現在、分別収集したプラスチックの半分を輸出しており、そのうち
の85%が中国向けです。欧州では年間2,500tのプラスチックごみが発
生しますが、リサイクルされているのは30%弱にとどまっています。
ちなみに、 日本は、生活系プラスチックごみ300万tのうち33%をリサイ
クル(2015年度)。リサイクル技術向上のため1億ユーロ(約135億円)
の追加資金を投じます。リサイクル産業の競争力を強化し、雇用創出
も図るもので、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)へ移行する戦略
の一環です。なお、欧州委員会は、1月10日にプラスチック容器包装
に対する課税を検討していることを明らかにしています。

英国のEU離脱で生じるEU予算の穴を埋める方策の一環ですが、
プラスチック容器包装の削減を促すことも目的としています。
深刻さを増すプラスチックごみによる海洋汚染に対する危機感から、
プラスチックごみ削減対策強化に向けて世界は大きく動いており、
日本でも思い切った施策が望まれます

(運営委員 小野寺 勲)

------ 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------

巻頭言
1、 「海と川のごみから考えるペットボトル」の学習会を開催しました。
2、 【 レポート1】 中国の拡大生産者責任制度の推進方案
3、 名古屋の永田 さんから活動報告−3R政策地域研究会in愛知

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■ <1> 「海と川のごみから考えるペットボトル」の学習会を開催しました。

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【開催の概要】
・日時:2018年1月18日(木)10:00〜12:00
・会場:ハロー会議室(虎ノ門)
・プログラム
(基調講演)原田禎夫さん「海と川のごみから考えるペットボトル」
(関連報告)藤乘照幸さん「店頭におけるペットボトル回収の取組みについて」
・参加者:
首都圏だけでなく、北海道や新潟、京都など遠くからも参加があり、
総勢で59名/60名の参加者となりました。

【学習会の概要】
●原田先生からは、冒頭で
「EUは2030年までに、使い捨てのプラスチック包装を域内で無くし、
すべてを再利用または素材としてリサイクルすることを目指すと、
欧州委員会が1月16日に公表」したことに触れられ、
プラスチック問題についての注意喚起を促しました。

中段では、冠島などにおけるごみ削減の取組みや、
デポジットによりPETボトルをほぼ100%回収している
エストニアの成功事例などが紹介されました。

最後に、世界で広がっている「脱プラスチック」の動きや
サーキュラーエコノミーの考え方について提言され、
「わたしたちに出来ることは何か」と問いかけられました。

●藤乘さんからは
ヨーカドーにおけるレジ袋削減のための取組みや、
新たにセブン&イレブンでも始めたPETボトル自動回収機の取組みについて
紹介されました。

今後の課題として、このような取り組みがCSRのレベルに留まっていては
なかなか広がらないので、早く、循環経済に結びつけたい旨、発言されました。
→くわしくは、こちらをご覧ください。

(事務局 山本 義美)

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■ <2> 【 レポート1】 中国の拡大生産者責任制度の推進方案
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 中国国務院弁公庁は、2017年1月3日に拡大生産者責任制度の
推進方案の通知を発表しました。

 拡大大生産者責任制度は製品の製造者が製品のライフサイクルの最初
から最後までの全体を通じて、環境に及ぼす影響を最小にするよう応分の
責任を負わせるものです。
「方案」では、次の四つの責任範囲が示されました。
(1)エコ設計の展開(生産企業は、全体を計画、材料を選択使用し、生産、
包装、販売、使用、回収、処理のなどライフサイクルの資源の環境への影
響を考慮して、製品のエコ設計を展開します。
具体的には軽量化、単一化、モジュール化、無(低)害化、修理しやすい、
寿命、エコ包装、省エネ、循環の利用などを考慮した設計です。)

(2)再生原料の使用(品質性能の保障、安全を前提に、生産企業に再生
原料の使用割合の増大を促進させます。)

(3)回収利用の規範化(生産企業は自主、共同、委託回収などのモデル
を通じて、廃棄製品と包装の回収を規範とし、直接または専門企業による
処理を利用するなど)

(4)情報公開の強化(製品の品質、安全、耐用性、省エネ、有毒有害物質
の含有量など)

 容器包装の分野では飲料用ラミネート包装紙(たぶん牛乳パックのような
紙)の回収促進が対象になっています。
対象分野の更なる拡大に期待したいですね。

(運営委員 小寺正明)

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■ <5>名古屋の永田秀和さん(中部リサイクル運動市民の会)からの活動報告
■ 3R政策地域研究会in愛知
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中部リサイクル運動市民の会では、リユースびんの普及を目的とした活動を
継続的に実施しています。
ひとつは、弊会が1991年から名古屋市内で開催している資源回収拠点
「リユース&リサイクルステーション」(市内全37会場)と、
2008年から運営している常設のリユース&リサイクル拠点エコロジーセンター
Re☆創庫(りそうこ)において、リユースを目的に作られた「Rマークびん」を
1本あたり10円で引き取る「なごやリユースびんルール」事業
(平成20年度「地域における容器包装廃棄物3R推進モデル事業」)の継続実施。

もう一つは、地元の酒蔵、びん商、学識経験者、消費者などとの協働で進める
「地産地消」「食品リサイクル」「びんリユース」をコンセプトに作られた
地酒「めぐる」の普及を進める「めぐるプロジェクト」(2010年発足)への参画です。

「めぐるプロジェクト」では、地産地消に関心のある飲食店や酒類の卸売り事
業者の協力のもと、飲食店での地酒「めぐる」の普及と、空きびん回収システ
ムの構築を進めています。平成28年度に策定された名古屋市の第五次一般
廃棄物処理基本計画では、これまでの「めぐるプロジェクト」の活動が評価さ
れ、名古屋市の新たな施策のひとつとして「リユースびん循環の仕組みづくり」
が盛り込まれました。

■参考資料
なごやリユースびんルール事業

平成20年度「地域における容器包装廃棄物3R推進モデル事業」

名古屋市第五次一般廃棄物処理基本計画

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事務局からのお知らせ

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● 会議開催日程

◎ 運営委員会

◇ 2018 年 3 月 20 日(火) 15:00 〜 17:00

◇ 場所:市民運動全国センターです。

※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC でお送りしています。

ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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