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「メールニュース」 バックナンバー

第176号(2016年12月19日発行)

  

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      容器包装の3Rを進める全国ネットワークニュース
           第 176号   2016 年12月19日

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海に漂っているごみで一番多いのはプラスチックごみです。
それが紫外線や波などによって5mm以下の微小な破片となったものなど
を「マイクロプラスチック」と呼んでいます。
マイクロプラスチックは、有害化学物質を添加されたものもありますが、海
水中からも濃縮して吸着しており、それを餌と間違えて摂食する海洋生物
への影響や、食物連鎖を通じての人体への影響が懸念されています。

日本国内や他のアジア地域から大量のプラスチックごみが流れ込み、日
本の周辺海域では、マイクロプラスチックの密度が世界の海の平均よりも
27倍も高いということが報告されています。また、今後20年間で、世界のプ
ラスチックの生産量が倍増し、有効な対策を講じなければ、海に流出する
プラスチックの量が10倍になり、2050年までに海に漂うプラスチックの量が
魚の量を上回る(重量ベース)と予測されています。

では、海に流出するプラスチックごみをいかにして減らすか。対策としては、
@プラスチックごみの発生を抑制するための、プラスチック製品の生産・販
売・消費段階(入口)での対策と、Aプラスチックごみの散乱と海への流出
を防止するための、ごみ排出段階(出口)での対策が必要です。

具体的には、以下のような対策が考えられます。
生産段階での対策
<リデュース>○無駄な包装の廃止(外装フィルム・中トレイ・外袋・個包装など)
○使い捨てプラスチック製品の禁止(食器、弁当箱、スプーン、フォークなど)
○素材として紙・木材・金属の使用促進
<リユース>○リユースびんへの切り替え(事業者単位、地域単位で)
○使い捨て容器の詰め替え化
<リサイクルの容易化> ○複合素材の単一素材化 ○ラベルの易剥離化
販売段階での対策
○レジ袋・プラスチックバッグの禁止または有料化 ○バラ売り・量り売りの拡大
○コーヒーショップ・ファーストフード店・大型施設などでのリユース食器・容器へ
の切り替え

消費段階での対策
○レジ袋・プラスチックバッグは断る(マイバッグ持参) ○バラ売り・量り売りを選ぶ
○ペットボトル入り飲料はなるべく買わない ○使い捨てプラスチック製品はなるべ
く買わない

ごみ排出段階での対策
○リサイクルの推進 ○適正排出の徹底(風に飛ばされないようにして出すなど)
○ペットボトルの回収促進  ・デポジット制の導入(事業者単位で)・インセンティ
ブの付与
(事業者単位、地域単位で) ○ポイ捨ての禁止 ○不法投棄対策

(事務局 小野寺 勲)

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------ 目 次 --- C o n t e n t s --------------------------------

巻頭言
1、環境省の「製品プラスチックの店頭回収・リサイクルの実証事業」がはじまりました。
2、第14回海ごみサミット2016三重会議の報告
3、上海の環境団体「愛分環保」が、当会事務所を訪問
4、レポート 欧州に広がるリユースの取組
5、埼玉からの活動報告
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■ <1>環境省の「製品プラスチックの店頭回収・リサイクルの実証事業」がはじまりました

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生活用品等の製品プラスチックは、容器包装リサイクル法の対象外のため、
多くの自治体で、容リ法による分別収集・リサイクルが行われず、
焼却・埋め立てによる処理が行われています。

環境省が、このような製品プラスチックの効率的な回収・リサイクルを促すため、
店頭回収によるリサイクルの実証事業
「BRING PLA-PLUS(プラプラ)プロジェクト」を始めました。

57企業・団体の協力の下、2016年12月12日(月)からスタートしています。
詳しくは、こちらをご覧ください。↓
http://plaplus-project.jp/

(事務局 山本義美)

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■ <2> 第14回海ごみサミット2016三重会議の報告
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三重会議は、10月28日より3日間にわたり、伊勢市及び鳥羽市・答志島において、
生物多様性と海洋ごみ、プラスチックごみの海洋への流出防止、
アジア太平洋地域の連携をテーマに掲げ、政府、自治体、民間事業者、研究者、
市民そして国内外のNGO/NPOの関係者等が一堂に集い、情報を共有しながら
建設的な討議と交流を重ねました。

(1)生物多様性と海洋ごみ
アジア太平洋地域の海洋のプラスチックごみによる生物被害がどのように生じて
いるのかをNGO/NPOが連携して共同で調査し、実体を把握することを提案しました。

(2)プラスチックごみの海洋への流出防止
河川流域におけるマイクロプラスチックの流出実体の調査を提案しました。
これに対し国土交通省では河川のマイクロプラスチックを調査すると述べました。
また、河川のプラスチックごみの削減に向けた効果的な対策方法を探り、その成果を
全国に発信することを提案しました。

(3)アジア太平洋地域の連携
プラスチックごみによる汚染から人類共通の財産である海を守るため、NGO/NPO
等の連携を強化する国際的な「基金」の創設を提案しました。

おわりに、プラスチック製品の大量生産、消費、廃棄の社会構造を資源循環型に
転換していくことが重要であることが三重会議で共有され、鳥羽アピールが出さ
れました。

(運営委員 小寺正明)

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■<3>上海の環境団体「愛分環保」が、当会事務所を訪問
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 上海の環境団体「愛分環保」のメンバー8人が、ゴミ問題に取り組んでいる
団体と交流したいとのことで、来訪されました。
彼女らは上海市の委託を受け、ゴミの削減や分別の推進運動を行っている
NPOです。近年、ゴミ問題は中国でも大きく捉えられるようになり、零廃棄全
国ネットワークができる程の勢いとのことでした。

愛分環保の皆さんは、基礎情報をしっかりと学習して来られ、住民にごみ分
別をどのように指導しているか?、消費者に対して宣伝・教育活動の展開は
誰がやっているのか?、NPO・NGO団体はその中でどんな役割を発揮してい
るか?などについて熱心に質問され、回答・意見交換をしました。

また、中国で実施されているレジ袋の有料化(約5円/枚)や、生ごみの資源
化などについて、詳しく説明していただきました。

最後にアジア近海の海ごみ・プラスチックの多さについての問題も共有し、
共に削減に取り組んでいこうと、話し合いました。

(副運営委員長 中井 八千代)

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■ <4>レポート 欧州に広がるリユースの取組
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 海のプラスチック汚染が顕在化する中、海外では使い捨てを減らす動きが
加速しています。例えば、今年7月に全土でレジ袋を禁止し、さらに2017年1
月から肉や魚を包む薄いプラスチック袋も禁止するフランスでは、今度は使
い捨て食器禁止法案を可決しました。2020年1月からプラスチック製の使い
捨てカップやフォークなどが禁止されます。

 ドイツ商業連盟は、これまでスーパーで実施されていた有料化を電機店や
衣料品店などにも拡大し、レジ袋有料化を強化しました。
また、ドイツ第2の都市・ハンブルクでは今年2月、テイクアウト用のコーヒー
カップを禁止しました。
これを受けて、市内のカフェが協力しデポジット制の「マイタンブラー」を採用。
テイクアウトを希望する人は1.5ユーロでタンブラーを購入し、使用後に戻すと
返金されます。気に入れば、自分専用タンブラーとして、使い続けられるとのこと。

また、フライブルクやベルリンのカフェでも使い捨てカップをやめ、食洗機で洗
えるデポジット制のカップを採用する店が増えています。
1ユーロで購入し、返すと返金が受けられます。

また、スウェーデン政府は、修理すると税控除が受けられる制度を導入しよう
としています。法案が通れば、修理の依頼者と修理業者の双方が税の優遇措
置を受けられるとのこと。
電化製品や自転車、衣類、靴などの修理費が大幅に安くなり、ごみの削減にも
期待がもてるそうです。
このようなリユースの取組を日本にも広げたいですね!

(運営委員 栗岡理子)

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■ <5> 埼玉・上領園子さん(埼玉エコ・リサ理事) からの活動報告
■          3R政策地域研究会in埼玉
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 1993年設立以来、埼玉県、事業者、市民の三者でごみ減量に取り組み、
毎年交流集会を行っています。
容器包装の削減に努力している小売店を「みんなでエコな買い物運動」協
力店として登録・広報し、県内全域で埼玉県とともに進めています。

3Rマイスターをはじめ、自治体の審議会や外部委員会への参加を行った
り、他団体とのネットワークを結び地域に出かけ学習会を行っています。又、
研究や行政に提言も行っています。
各種の事業者が会員であることからごみのほとんどが資源化できることが
分かり、焼却ごみは10分の1に減量できる、当然焼却炉も10分の1にできる、
そのことから先進的な考えを持つ市と話し合いを始めたところです。

 パリ会議が開催されたフランスはレジ袋の製造を禁止し、プラスチックの
フォーク、ナイフ、スプーン、容器の製造も化石資源由来のものは3年後を
目処にやめます。
私たちも持続可能な社会を目指し生活や考えを一変させ、全てに於いて
3Rを、特にごみにしないリデュースを目指し歩みを進めています。
詳しくは、下記よりご覧ください。↓
http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/3Rsaitama.pdf

埼玉エコ・リサイクル連絡会公式ホームページ
http://www.townnavi.info/eco-risa/

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事務局からのお知らせ 
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● 会議開催日程
◎ 運営委員会
◇ 2016 年2 月1日(水) 14:00 〜 16:00
◇ 場所:市民運動全国センターです。
※ ニュースはご参加、お問合せをいただいた皆さまに BCC で
お送りしています。
ご不要の方はご連絡ください。

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容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局
E-mail : reuse@citizens-i.org
URL : http://www.citizens-i.org/gomi0/
〒 102-0082 東京都千代田区一番町9−7 一番町村上ビル6F
市民 運動全国センター内
TEL/03-3234-3844   FAX/03-3263-9463

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