日韓市民社会フォーラム2003
「北東アジアの平和構築に向けた日韓市民社会の役割」参加の呼びかけ

 2002年のFIFAワールドカップKorea/Japanの日韓共催の成功や文化・芸能の交流が進んだこともあって、日韓の友好関係はこれまでにないほど近しく、平和な関係と言えるでしょう。

 しかしながら、同じく朝鮮半島に位置する北朝鮮と日本の関係は、昨年910月に行われた初の首脳会談で、国交正常化へとの期待も一瞬高まりはしましたが、そこで明らかとなった日本人拉致の実態事実と加熱するマスコミ報道が、核開発疑惑もあいまって、北への強い絶対的な不信感と悪感情を日本の市民に植え付けてしまいました。そうした世論の空気を受けてか、日本政府も、アメリカと共同歩調をとり、国内においては、有事法制を整備するなどして、北への「圧力」を強めています。

 一方の韓国の市民は、北朝鮮への「平和繁栄政策太陽政策」を掲げた新大統領を誕生させました。同じ民族であるという認識から、北の核開発に対してもアンビバレントな感情を持ちつつも、「対話」を重視した政策をとっています。
 日韓両国政府の北朝鮮への対応は対照的であるものの、アメリカなどの国々を巻き込み、日韓の市民がくらす東アジア地域の平和と安定が大きく損なわれようとしているのは間違いありません。北朝鮮の隣国にある日本と韓国の市民は、まさに「今、そこにある危機」の只中にあると言えるでしょう。

 戦後、両国の市民は、幾多の困難な問題に取り組み、それぞれの社会において一定の役割を果たしてきた歴史をもっています。国境を越えた今回の事態に際し、過去をみつめ、新しい未来をつくりだすことを願う日本と韓国の市民社会が協力して、問題解決に向けて動き出す必要があるのと考えます。

昨年4月には、アメリカ同時多発テロ事件以後の北東アジアの平和を増進するために日韓の市民社会が果たす役割を議論する必要性を認識し、ソウルで日韓市民社会フォーラム2002を開催いたしました。そこでは、「市民政府」実現のための政府改革、生活の質の向上と環境保全のための協力、北東アジアの平和維持と人権保障のための努力、市民社会強化のための具体的措置の策定などが合意されました。

そして、より深刻化した事態を受けて、再び共通の想いを抱く日本と韓国に住む市民が集い、お互いの立場や現状の打開策などについて議論し合う中から、平和な東アジアのために日韓の市民社会に何ができるのかを考えたいと思っています。

 両国市民社会の交流と連帯の活性化をめざした“日韓市民社会フォーラム2003”にぜひご参加ください。

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