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審議会での発表内容の紹介

審議会での3R全国ネットの発表部分のご案内 

 10月15日、容器包装リサイクル法について環境省と経産省との2回目の合同 会合で、容器包装の3Rを進める全国ネットワークは、改正市民案とデプスインタビューについて発表しましたが、議事録、発表資料が掲載されましたので、ご案内いたします。

議事録の全文は、こちらからご覧ください。
審議会で配布した資料は、こちらこちらからご覧ください。
デプスインタビュー調査結果の詳細報告は、こちらからご覧ください。

 

■3R全国ネットの発表部分は、以下の通りです。■■■■■■■■

○郡嶌座長
それでは、最後になりますけれども、容器包装の3Rを進める全国ネットワークの中村様のほうから資料6に基づいて説明をよろしくお願いしたいと思います。

○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)

まず団体の紹介からさせていただきます。
3R全国ネットワークの活動ですけれども、2003年、容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワークの設立から始まりました。そして2006年に現在の名前に変更して活動しています。
3R全国ネットワークの活動の目的ですが、3R、中でもリデュース、リユース、2R の促進、そのための手段としてEPR(拡大生産者責任)の実現を目指してキャペーンや政策の提案活動を展開しています。
組織は、全国の市民団体、個人によって構成していて、現在およそ200の団体、200の個人に参加をいただいています。2年前、3R全国ネットワークは、国会に40万筆の署名を添えて、消費者、自治体、事業者の役割の見直し、2Rの推進、そしてプラスチックリサイクルの推進を求めて請願をし、2011年8月、衆議院と参議院で採択されました。
そこで3R全国ネットワークでは市民案を立案しようと、全国10の地域で地域政策研究会を開催して、容器包装リサイクル法の改正案を検討してきました。
きょうは、ことしの4月にまとめました市民案のご紹介をさせていただきます。
それと、この市民案が一般の市民の意識と乖離してないか。一般の市民の人たちはどう思っているのかについてインタビューを実施しましたので、そのご報告をいたします。

  まず市民案のご紹介をさせていただきます。ページ数がふってないので恐縮ですけれども、〈1〉改正市民案のポイントをごらんください。1つ目の・(ポツ)です。リサイクルを廃棄物処理、ごみ処理と位置づける時代はもう終わりました。リサイクルは、製品製造の一環である、循環の一環であるというふうに位置づけましょう。それでごみ処理は市町村の仕事ですが、リサイクルは製造の一環ですから、事業者が責任をもって実施しましょうという考え方です。
その費用、リサイクルコストについては製品価格に乗せましょうというものです。
これによりリデュース、リユースの2Rが進む、その仕組みとしてEPR(拡大生産者責任)という制度をきちんと徹底して位置づけようではないかという提案でございます。

次のページになります。〈1〉EPRの原点に立って、役割を見直していきましょうという提案です。
@ 回収も含めて、容器包装の再商品化については特定事業者の責任としましょう。そし
て特定事業者が自分で回収できない場合は市町村の分別収集に委ねましょう。そのときに費用を標準費用に基づいて市町村の支払って責任を果たしましょう。この標準費用ですけれども、これは効率的にリサイクルをしている市町村を中心にした費用を想定しています。リサイクル、日本は非常に質が高く浸透していますが、これに市町村が果たした役割は非常に大きいと思っております。しかし、市町村に全面的によりかかってしまったことで非常にリサイクルコストが上がってしまいました。
ですから、リサイクルの高い品質を保ちながらコストを削減していくというポイントと して、標準費用という考え方を入れていきたいと考えております。

次のページです。Aです。回収について、多様な民間主体の回収システムを構築しましょう。いわゆる市町村の回収ばかりに寄りかからずに、多様な回収システム、代表的なものが店頭回収、そして集団回収です。これを太くしていくことができるのではないか。することがいいのではないかと考えています。
そのためには、これを容器包装リサイクル法の枠組みに入れましょうと提案をします。スーパーマーケットの店頭回収、これはお客様に対するサービスで今やっておりますが、そのサービスではなくて、きちんと容リ法に位置づけられた回収システムにすることでもっと太くすることができると考えております。
次にその下の飲料ペットボトルですが、これは今の市町村回収から切り離して事業者の自主回収にしましょうという提案です。ただ、これについてはインタビューの中でもう少し見直しをする必要があるということで現在検討をしております。

次のページ〈2〉リサイクル優先からリデュース、リユース優先のシステムに変えていく4つの提案をしております。
@レジ袋は有料化を。することによって大幅に削減をしましょう。
A先ほども議論がありましたが、Rマークをリユースマークとして制度化してください。そうすることによって、ガラスびんに限らずいろんなリユース製品がありますけれども、共通するRマークというものを制度化することによって国民に周知ができます。また、容器の規格統一を進めることも必要ではないかと思います。
それとB学校給食でガラスびん、リユースのびんに入った牛乳を普及させるということを進めましょう。特に3R教育にとって、子供たちが学校でガラスびんに入っている牛乳を飲んでいるか、紙パックで飲んでいるかでは3Rの理解度が大きく違うということも聞きます。身近にこういう教材があるかないかで大きく違うと思います。
C次に官公庁での会議でのリユースびんを入れましょうということです。

次のページをお願いします。〈3〉です。
リサイクルですけれども、社会的費用を最小化しましょうということを提案をしています。具体的に4点あげております。
まずプラスチックです。市町村が分別収集して一次選別、保管をいたします。そして再商品化事業者に引渡しますが、引き取った再商品化事業者はもう1回分別をします。こういう二重の分別は不合理なんです。ですから役割を見直して、分別収集したあとに再商品
化事業者に引渡すことによって一次選別、二次選別を同時にすることで高品質なリサイクル、プラスチックのリサイクルが期待できます。
Aです。市町村は分別収集の効率化に努めるとともに、その費用を公開していきましょうということです。ここでは市町村の分別収集効率が悪い、要するにさぼっているのだという、言葉は選んでいないのですけれども、さぼっているのだというふうにいっているわけではございません。市町村単位での収集が非効率なんです。ですから、市町村というのは丸い形、四角い形ではないのです。いろんな入りくんだ形をしています。こういったものをもう少し合理化することも可能かと思います。
それと収集回数、市町村ばかりでなくて店頭回収、集団回収が広がってくれば、もう少し収集回収を減らすことができるでしょう。そういったことで効率化を進めていきましょうということを申し上げています。
国は分別収集の標準費用を算出してください。そして国は発生抑制目標、リユースの普及目標、そしてリサイクル率の目標、いずれも今はありませんけれども、こういったものを設定して、その達成に向けて指導・監督をする。そういう役割を担っていただきたい。

 そしてこういった私たちの提案に対して、市民はどういうふうな意識なんだろうかということで、ことしの8月にインタビューを実施いたしました。実施したインタビューの対象者ですけれども、関東に住んでいる年代の異なる8人の女性です。20代の独身2人、子育て主婦層6人、そして環境に関心が薄い人、関心が高い人、そしてプラスチックリサイクルを実施している町に住んでいる人、実施していない町に住んでいる人、それぞれ選んで参加いただきました。
インタビューした人数は非常に少ないのですけれども、予算も限られますので、こういった人数でしかできていません。といっても1人1時間以上かけて必要な情報も提供して、いわゆるデプスインタビューという手法でやっております。実際インタビューをやってまとめた方は、私たちではなくて、専門の事業者の方に委託をしてやったものです。ですからその結果というのは私たちの恣意的な内容ではございません。客観的なほぼ一般的な女性の意識を反映していると考えております。
特徴的なところだけご紹介いたします。ページがふっておりませんけれども、〈3−1〉のところです。
上が意識のまとめで、共通意識というのは8人の方が共通した意識です。異なる意識というのは8人の方がそれぞれ異なる意識を持っている部分です。
次のページに市民案ではこういうふうなことを考えているが、これに対してインタビューの結果から考えて考察するとどうなんだということでそれぞれ書いてあります。簡単にご紹介いたします。
まず〈3−1〉、3Rの認知です。
8人のうちリサイクルを知っている人は8人全員知っていました。そしてリサイクルとリユースを認識している方は3人でした。リサイクルとリユース、そしてリデュース、3つのR、これについて認識しているのはたったの1人でした。
そういうことから、やはり3R、特に2Rの啓発というのは今後重要な課題であるなということがわかりました。
次のページです。〈4−1−1〉、ごみ意識についてです。
共通して認識している点ですけれど、これはスーパーマーケットに行って、ああ随分過剰包装があるな、というふうな印象を持っている人はいないわけなんです。だけど自分がごみに出すときに、プラスチックごみが多いな、ふえているなと感じている方、これは全員でした。ですから、プラスチックの発生抑制というのが大きな課題であるということがわかります。
次のページです。〈4−2−1〉、レジ袋の有料化です。
レジ袋をごみ袋に使っているので必要だと思っている方は全員でした。だけどお金は節約したいので有料袋は買いません。同時に有料化が進んできていますけれども、それについてはもう時代の流れですということで積極的に受け止める人、消極的に受け止める人、違いがありますけれども、おおむね賛成をしているということがわかりました。
次に〈4−3−1〉です。リユースびんについてです。
リユースびんについては、自分の生活の中にリユースびんを取り入れるというのはなかなか難しいね、抵抗感があるというふうに皆さんお答えしています。ただ、学校だとか公共施設、そういったところでリユースシステムが広がっていくことはいいことですねということで、全員の方がそう考えているということがわかりました。
次〈5−3−1〉マイボトルとペットボトルです。全員の方がマイボトルをお持ちでした。なぜ持っているのかという理由についてですけれども、ごみ環境意識というわけではないのです。お茶や水を買っていると不経済だからということでお持ちになっています。ですから、ペットボトルのリサイクル費用を商品価格に組み入れることは、お金の節約というのは非常に皆さん強い意識をお持ちです。ですから、ペットボトルの発生抑制に働き かける効果があると思っております。
ただ冒頭ご紹介いたしましたペットボトルの回収システム、市町村のペットボトルの回収が生活に浸透していることがよくわかりました。ですから、冒頭、市民案では行政回収から切り離そうと提案をしていたわけなんですけれども、ちょっとここの部分、市町村での回収というものを継続していくというのがいいのではないかと見直していく必要があるだろうと考えております。
次に〈5−4−1〉、プラスチックごみです。ここはプラスチックリサイクルをしている地域としていない地域では生活者の意識が大きく異なることがわかりました。プラスチックリサイクルをしているところでは、しっかりリサイクルに協力していきたいと答えている方が多かったです。マヨネーズもきれいに洗いましたとかいうふうな方もいらっしゃいました。一方、リサイクルしてなくて燃えるごみに出しているところでは、燃えるごみに出せるので楽ですというふうに意識が変わってきております。ですから、行政の対応は市民意識形成に大きな影響をしているということがわかりました。
最後に〈8−1〉です。EPRについてお伺いました。
2Rを推進するためにEPR、これについては賛成ですということで、全員がそういった賛同の気持ちでございました。
EPRで商品価格が10円、20円上がってもそれは気になりませんというふうなことで、私どものほうでちょっとでき過ぎのような回答でもあるのかなというふうな感じもしますけれども、そういうふうにお考えになっている方が全員だということにちょっと驚きました。
しかし、たとえEPRで10円、20円上がったとしても、スーパーに行ったら1円でも安い商品を買いますと答えている方が全員です。ですから、製品をつくる側は、1円でも安い商品をつくるために、少しでも容器包装を減らすという、そういったインセンティブが働く、そういうEPRの仕組みというのは2Rの推進にとって有効なシステムだろうと今回のインタビューを通じて確信をいたしました。
私たちの市民案ですけれども、こういう一般の市民意識と乖離していないなということがわかりましたし、むしろ一般の市民の方の意識を代表しているのではないかという自信も持ちました。ぜひ国のほうでももう少し大きな規模でこういう市民意識調査をしていただいて、市民意識を十分に反映した改正というものを検討いただきたいなと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。


○郡嶌座長
どうもありがとうございました。
25分ほどまで質問を受け付けたいと思います。大体そこいらで終わらなくてはいけない予定になっていますので。
○水戸川委員
どうもありがとうございました。
みずからの提案をデプスインタビューを行うことによって省みる非常に好ましい提案のスタイルかなと感じておりますが、その中で2点ほどお尋ねしたいと思っています。
1つ目はEPRの〈1〉のAで、見直されるとはおっしゃっているのですが、飲料ペットボトルは市町村回収から切り離して、当初なぜこういうようなお考えになったのかということを聞かせていただきたいということが1つです。
2つ目に、EPRの@のところでは、回収を含めて容器包装の再商品化については特定事業者の責任とするということになっているのですが、〈3〉のところの@では、プラスチックは分別収集後の一次選別・保管を市町村から事業者に移す、ここら辺の解釈の整合性はどうかということを2点目でお尋ねしたい。
いずれにしましても、事業者サイドの私どもとこの見解はいろいろ意見の異なるところはあると思いますので、事業者に対してもデプスコミュニケーションをとっていただいて、ぜひ意見反映をお願いしたいと思います。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
最初の質問は何でしたか。
○水戸川委員
見直しされるとおっしゃったのですが、飲料ペットボトルは市町村回収から、なぜこれだけ。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
飲料ペットボトルのリサイクルは、非常に市民に高く認識されています。店頭回収でも非常に高い効率を上げております。自動回収機も広がっておりまして、これだったら市町村回収に頼らなくても事業者自身でできるのではないかと考えたのがもとでございます。そのほうが効率がよくていいリサイクルができるのではないかと考えたわけです。
○水戸川委員
アルミ缶のほうがもっと市民意識が高いと思うのですけれども、その辺との比較はどうなんでしょうか。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
特に市民意識調査で、どちらが高いかという比較はしておりませんけれども、アルミ缶も高いと思います。ただ、リサイクルというと、市民にとってはリサイクルイコールペットボトルなんです。こういっては 語弊があるかもしれませんが、今、容器の中で一番環境にいい容器は何ですかと聞くとペットボトルと答えるのです。特に若者は。それだけリサイクルイコールペットボトルで浸透しているのです。そういう意味で自立してリサイクルができる一番象徴的な容器ではないかと考えております。
次ですけれども、事業者の責任でありながらプラスチックは云々という話なんですけれども、基本的にすべて事業者が回収をする。できなければ市町村の回収に委ねながら費用を払うというものです。プラスチックについて物理的な役割分担についても見直しましょうということをいっています。経済的な役割分担ではなくて。それでプラスチックの選別は市町村では行わない。分別収集したあと再商品化事業者にそのまま引き渡すというふうな役割、物理的な役割を変えていったほうが合理的ですねという提案をさせていただいています。
○郡嶌座長
一応名札をあげておられる方からご意見をいただきたいと思います。
○百瀬委員
2点あります。
1点は、首都圏の女性がなぜ一般消費者だということをここで述べられているのかというのが疑問なので、それを教えていただきたい。特に地方都市ですとか、都市部ではないところのご意見も、大切だと思います。なぜかといいますと、都市部はスーパーマーケットその他でリサイクルをする場があるというように、いろいろ便利だと想像できますが、都市部でないところの消費者はどういう意見があるのかというのはここでは聞けなかったのではないかというところです。
もう1点は、先ほどのプラスチックの件についてお聞きしたい。自治体で一次選別している中で、再資源として適切でないものは多分自治体が一般廃棄物として処理されているのではないでしょうか。ところがもう「再商品化します、再生品の原料です」ということで渡されてしまった場合、受けた側がもし再資源化できなかった場合は、もう1回市に返すのでしょうか。どうするのかなというのが疑問でしたのでお答えいただきたい。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
首都圏の女性をとって一般的だというのはちょっといい過ぎているのは確かにそのとおりだと思います。ですから、地方と都市部の意識の違いというのはここではやっておりませんので、ぜひそういった大規模な調査をしていただければ助かります。ぜひそういったことも私は知りたい部分でございます。
それとプラスチックの残渣のご質問でしたでしょうか。
○百瀬委員
残渣ではなくて、容リ法の対象ではないものが入っていませんか。普通のプラスチック製品が入っているのではないかとおもわれます。例えばそういったことが、地方都市でも話題になったことがあり、市は自分のところで選別したときには市の処理でやっているということをお聞きしたことがあったのですが。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
製品プラについて、この市民案の中には書いておりません。ただ、製品プラも含めて分別して再商品化することが合理的だろう、これは私の考えですけれども、そう考えております。
○百瀬委員
それは誰の責任で処理するのですか。もし違うものがまじっていたら。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
そこら辺を精査する必要があって、ですからまだ市民案にもまとまっていないというのがあります。
○百瀬委員
これからですね。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
はい。
○森口委員
1点に絞って、その他プラのところで、今の百瀬委員のご指摘と非常に関わりが深いので、製品プラを置くとして、容リプラだけに限るとしても、最初の容リ協さんのプレゼンに対する質疑の中にあったわけですけれども、残渣の発生はやはりリサイクルしにくいものが含まれているからということがあるかと思うのですけれども、ここで選別の合理化というご提案をされているのは非常に重要だと思うのですけれども、選別の合理化という観点から、リサイクルしやすいものに収集を限ったほうがいいのか、やはりそうではなくて、なるべく多く、ここの消費者アンケートではマヨネーズの話なんかも出てくるのですけれども、そのようになるべく多く集めるという今の方針を支持されるのか、そのあたりについてお考えがまとまっていればお聞かせいただきたいのですけれども。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
例えば特定の単一素材のものだけを集めるとか、そういうふうな変更を考えてはいません。現状の分別のあり方で収集するということを考えています。そのあと選別の段階でもう少し高度な選別、例えばヨーロッパで行われていますソーティングセンターでの光学的な分別だとか、そういった技術を活用することによって、より品質の高い、そして結果的に残渣を減らすことができる再商品化というのが実現できるのではないかと考えています。これも今、容リ法の仕組みを少し見直さないとそれも実現できないので、ぜひそこも検討の1つに入れていただければと思います。
○花澤委員
私はさっき百瀬委員がおっしゃったように、最後の調査というのが非常に 首都圏の女性だけで、何で男性が入らないのかなということも疑問ですし、非常に少人数のものをベースにして立論を、ずっと後ろのほうでなさっているのが若干残念だなと思います。
それで特にご意見を申し上げたいのは、〈4−1−2〉の発生抑制をEPRで進めるという市民案に対して、考察として買い物時にごみ環境を考えて商品選択する人は非常に少ない。確かにそうではないかなという感じは私も持ちますが、それで最後の4つ目の・で川上・上流・商品設計段階での発生抑制効果が生まれるEPRの徹底が最も有効な方法であるという立論なんですが、やはりまさにこの容器包装の問題というのはいろんな側面があって、こう単純にいえるのではないと思います。ライフスタイルの問題とか、社会構造の変化とかいろんな問題があって決まっていっています。それから、ご案内のように今の容リ法がはじめてEPR論を導入した制度であるということ。EPR論の前から事業者としては、やはり容器包装をどれだけ削減するかというのは直接コストにも関係しますし、環境面でも大変大きな問題であるということでリデュース、リサイクルに取り組んでいるということ。
そういったことも総合的に勘案してご議論を願いたいと思います。
以上です。
○郡嶌座長 レスポンスされますか。それとも意見という形で。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村) 反論するものではなくて賛成でございまして、残念ながら私どもの力では少しの人数しかインタビューできませんでしたので、ぜひやっていただきたいということで、しっかり市民の意識を探っていただいて反映していただきたいと考えています。
EPRについてさまざまな議論があることは私はよく承知をしておりまして、いろんな観点、方面からみていく。検討していくのはもちろん大切なことですので、ぜひご検討いただきたい部分でございます。特に今、容器包装だけどうして税金でやるのですかということについて皆さんもしっかり検討していただきたいなと思っております。
○郡嶌座長
今、札をあげられている方、ご質問のほうから先にしたいと思います。ご質問のある方。
○大塚委員
大変おもしろい提案だったと思いますが、1点だけお伺いしたいのは、〈1〉のEPRのところの右の特定事業者がみずから回収できない場合に、市町村の分別収集に委ねという、一旦特定事業者の責任にしながらこういうふうにお書きになっている のですけれども、ここは私は別に反対ではないのですけれども、ちょっとお伺いしておきたいのは、特定事業者がみずから回収できないという認定はどういうふうにするかというのが結構大問題になるので、ここが広がってしまうと多分今と余り変わらないことになるかと思うのですけれども、何かお考えになっていることがあればお願いします。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村) 品目を絞るのではなくて、今の容リ法の仕組みと同じです。みずから回収すれば、その分負担をしなくていいわけです。そういったことをいっております。
そういう事業者が回収費、今、回収費はリサイクルコストの全体の85%です。容リ協で負担しているのは15%だけです。その85%が今度事業者側に支払いなさいという形になった場合に、そういったコストは非常に経営的に大きな問題になってきます。そのときに本当に市町村に委ねることが経営的に得なのか、自分で回収することが経営的に得なのかということをそれぞれ判断していただく。そうすることで例えばスーパーと組んで店頭回収を強くしていくことが経済的に見合ってくる場合があるわけです。集団回収と組んでそういったことを太くしていくことは経済的に見合ってくる。そういう部分がどんどん広がってくると思うのです。そういうふうな意味の選択でございます。
○郡嶌座長
あとの皆さん、ご意見か、それともご質問か。ご質問のほうから先に。手短にお願いします。
○崎田委員
質問させていただきたいのですけれども、今リサイクル費用は消費者がきちんと負担をして商品価格の中に入れていくという内容と伺っておりました。そういう流れをつくっていくのは大事だと思うのですが、今ある仕組みからご提案の仕組みに動かしていくときに、リサイクル費用を回収して市町村のところに分配していく、どういう仕組みを導入してこの新しい提案を動かそうと皆さんでお考えになっているか、その辺をぜひ伺いたい。
もう1点、レジ袋有料化というのは私もすごく大事だと思うのですが、どういう制度を入れるとこれが広がると皆さんがお考えか、前回、この議論は大変しましたので、今回もここが議論になると思いますので、皆さんがこのシステム化に関してどういうふうなご議論か教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
私どもの団体では移行のプロセスについてはまだ議論しておりません。段階的に、回収費用については市町村、選別について事業者に移そうだとかといったプロセスがあると思うのですけれども、そのプロセス については議論しておりません。回収6割、選別が4割というふうに費用がいわれますけれども、とりあえず4割だけ動かしていこうではないかというのもありだと思います。そういったプロセスについては、これから実際にそうしていこうという方向が決まりましたら議論していくという形になると思います。
それとレジ袋有料化ですね、これはもう既に全国的に有料化を進めているところがあります。ですから、そういう意味で市民のコンセンサスが高まっていると思います。ですから、いわゆる地域協定という形でみんなで手をつないで上げていくというのもありますけれども、今は反対にみんなで足を引っ張っていて地域協定が進んでないという現状です。そういった現状をみれば、やはりここできちんと法律で無料で配ってはいけませんということを決めることがいいかなと思っております。
○崎田委員 ありがとうございます。
○鬼沢委員 プラスチックの分別収集を事業者がするというところですけれども、自治体が分別収集をするために普及啓発をして市民の分別、リサイクルの意識は非常に高まったと思うのですけれども、プラスチックを何に再生利用していくかということを先に検討して、何を集めるかということのほうが有効なんではないかと思うのですが、ここを事業者に移管して全部を集めてしまったら、結局高度なリサイクルが進まないのではないかと思いますが、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村) おっしゃっている趣旨が不明なのですが、事業者が回収をすると高度なリサイクルが進まないというのはどういうところからでしょうか。
○鬼沢委員 高度なリサイクルが進まないのではなくて、高度なリサイクルには、プラスチックを何にリサイクルするかということを検討してから何を集めるかということを決めた方がいいのではないかと思っています。自治体の今までのリサイクルに関する普及啓発により、市民の分別意識が非常に高まったと思うのですけれども、これを自治体から事業者に移すことで、今は分別をしていない地域もあるわけですから、結局何でもかんでもが集まるという形になるのではないかという心配があるわけです。
だからプラスチックの何を集めて何にリサイクルするかという検討をしてからにすれば、おのずと収集方法がどういうものがいいかというふうになるのではないかと思うのですけれども、そこはどういうふうにお考えですか。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
それは両方だと思うのです。何 を集めて、これを何に再商品化するからこういう集め方をするのだというアプローチもありますし、集まったものをどういうふうに選別して、どういう製品につくっていけるのかということもアプローチの1つの方法です。両方検討が必要ですね。
ソーティングセンターなんかも高度に選別できれば用途も広がっていくわけです。ですから、そこのシステムと技術力もあると思うのですけれども、技術の違いでどういうふうに再商品化できるかというのは変わってくると思うので、両面から検討していく必要があると考えております。
○郡嶌座長
最後になりましたけれども、高橋代理。
○高橋代理
私のほうからはご意見としてといいましょうか、申し上げたいのが製品の価格にリサイクル費用を乗せてもということを明記していらっしゃいますが、リサイクル費用なのか回収費用なのか、そこら辺をどういった形で消費者の方に伝えるのかということが大切かと思っていまして、まさに何がどうお金を使われるのか、しかも10円、20円の値上げは気にならないといっている一方で、1円でも安いほうを求めている消費者の方の意識をどのような形で変えていくのか、どのようなお考えなのか教えていただければと思います。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
1円でも安いほうを選ぶという意識を変える必要はありません。1円でも安いほうを選んでいただきたいと思っております。なぜ安いのか、容器包装を減らしたから安くなる商品になってほしいわけです。容器包装を減らしたから値段が高くなりましたという商品は選んでほしくないわけです。ですから、今の市民意識をそういうふうに変えるということは何も考えていなくて、今の市民意識に合ったシステムというのをつくっていただきたいといっているわけです。
○高橋代理
最終ゼロにはならないので、どこまでが限度のリサイクル費用、回収費用としてオンしていいのか、オンという言い方なのか、逆に明記、これはリサイクル費用ですということを表示したほうがいいのか、そこら辺はどういうふうに。
○容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(中村)
そういう議論も出ますけれども、リサイクル費用の一番かかるのが回収費用です。ここが全体の6割ぐらいかかっているわけです。回収に一番かかります。その費用を製品に表示する必要は全然ありません。結果の話ですから、消費者がリサイクルコストが10円かかっていますから、こっちの容器は15円かかっていますから、ではこっちの10円のリサイクルコストが安い方を買いますという話はいらないです。全体的に安い価格と品質です。それで消費者は選べばいいわけな んです。そういうふうなこと、経済的な仕組みと環境をうまく循環させられる仕組みがEPR、拡大生産者責任ですよという提案でございます。
○郡嶌座長
皆さん方のご意見をいただきましてありがとうございました。中村さんどうもありがとうございました。